内容説明
伝説の緊縛師・有末剛が初めて世に問う短編小説集。禁断の快楽に惹き寄せられ変態行為に乱れ狂う人妻、税務署員、女王様、ニューハーフ、やくざの親分、そして朝から縄をぐつぐつ煮込む緊縛師・・・・・・。当事者でなければ知り得ない緊縛の世界のすべてが今明らかになる。官能の裏側で炸裂する人間の煩悩と性をコミカルなタッチで描き出す。これまでに類書のない決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skellig@topsy-turvy
20
緊縛師が日々見聞きしている性のカオスとはいかなるものか?という好奇心を満たしてくれますが、肝心の(?)縛り方等のテク的話はありません。時々、少々語り方がクサイかなあと思う箇所があるけど、性に絡む人間の業の深さを垣間見せられる。そっち系の方の接待で(ボスを)縛って罵ったり、夫から指示された人妻との濃密ミッションに謎の外人と可愛らしい犬が乱入したり、心の病を抱えた女性とどたばたしたり、中々にハードな妻子持ち緊縛師Aさんの日常。人の数だけ人生の正解も真実もあるよなーとしみじみ思います。2013/10/17
美麗
5
縄師(緊縛師)の縄美学とか縄に対する想い、みたいなものが自分に酔った文体で書かれてたら嫌だな〜と思ってたらそんなものは一切なかった。もうちょっとあってもいいよ?って思うぐらいなかった。SMに関することもほとんどなく、じゃあ何が書かれてるのかといえばありとあらゆる変態セックス体験記と、メンヘラ彼女を持つと大変だよ日記。スポーツ新聞とか風俗誌のような多少おっさん臭い文体ではあるものの、エロいことをカラっと重いことをサラっと書いてあるので不快感は全くない。真面目に淫靡なものを期待した人は残念。私は面白かったです2014/07/31