河出文庫<br> 江戸の非人頭 車善七

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河出文庫
江戸の非人頭 車善七

  • 著者名:塩見鮮一郎【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 河出書房新社(2013/10発売)
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  • ISBN:9784309408965

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内容説明

徳川幕府の江戸では、浅草地区の非人は、弾左衛門配下の非人頭車善七が、彼らに乞食や紙屑拾い、牢屋人足をさせて管理した。善七の居住地の謎、非人寄場、弾左衛門との確執、解放令以後の実態を探る。

目次

第1章 車善七の居住地(吉原裏の居宅 鳥越に賎民支配の原型 鳥越猿屋町について 新鳥越町と新吉原)
第2章 車善七の「溜」(吉原裏の家 車善七の「溜」 牢屋人足と日勘進 非人寄場と浅草紙)
第3章 車善七vs.弾左衛門(神話的前史 実話的前史 車善七の訴え 由緒捏造合戦 裁判再開)
第4章 車善七の解放令(顔のない親分 解放令 乞食撲滅運動)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

43
最終章で著者自ら述べているように肝心の車善七がちっとも出てこない。むしろ比較対象としての弾左衛門についての記述が多い。それ程代々車善七を名乗った非人頭については史料が少ない由。教科書では十把一絡げに習ったが穢多と非人は別で格差有り。先に読んだ山本博文氏の対談本でも感じたが江戸時代は身分制度の為に良くも悪くも超システマティックだ。写真が残る最後の弾左衛門は眼光鋭くパンクロッカーのような面持ちのちょっといい男。2018/03/04

AICHAN

28
図書館本。非人、そのまま読めば人に非ず! そう呼ばれた賤民が明治前までいた。マゲを結うことを禁じられ、生産と商売を禁じられ、乞食や紙くず拾いや死刑の執行と刑死人の始末、牢屋の不浄仕事などをさせられていた。それら非人を統率する非人頭のひとりが車善七。幕府の求めに応じて牢屋人足を出したり罪人や病人を収容する溜(ため)の運営などをしていた。車善七は、穢多・非人を支配する弾左衛門の下に属し、幕府からの命は弾左衛門を通して車善七に伝えられる。非人は穢多の弾左衛門に幕府にこきつかわれた。叛乱を起こしたこともあった。2016/07/15

ぼちぼちいこか

10
学校で江戸時代の士農工商の身分制度の他にエタ、非人があると習った覚えがある。「弾左衛門」の本でエタの役割が分かったが残る非人がよく分からない。白戸三平のカムイ伝を読んで非人部落出の主人公カムイの事は頭にあるけど…。というわけで読み始めた。確かにエタと非人は違う。しかし非人の記録がほとんどない。まるで無かった事にしてしまおうと意図的な構図があったのかもしれない。2020/08/01

リュウジ

9
非人の総元締めだった人のことを知る入門書。一人の人ではなく名前を引き継いでいたので、その歴史は300年にわたる。といっても多くの資料が残る訳ではなく、様々な断片から推測。歴史研究の難しさと面白さを存分に感じた。江戸時代、彼らには重く課せられた特別な仕事があった。それが維新で解放令が出され、自分たちが“独占”していた仕事を失うことになる。彼らは解放され自由にもなったが、生きる術や既得権を奪われた。まさに時代の変化、価値観の変化、人間の変化。ちなみに最期の車善七さんは解放令後どうなったのか、資料はないそうだ。2008/05/21

sayzk

6
非人や善七の居住地、関連施設(?)の場所について頁が割かれている印象。もう少し非人のしのぎの内容、善七の統治方法、権力、或いは苦悩、明治維新への移行について詳しく書かれているかなと思った。本書だけ読むより、著者の「弾左衛門」「乞胸」の本と合わせて読むのがいいと思います。2014/11/26

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