内容説明
カナダの山麓で夫と二人、ひっそりと暮らすロバータ。その平穏な日々は、見知らぬ来訪者によって終わりを告げた。ハーリーと名乗る彼は、幼い日のロバータが母のように慕った女性、レノーラの夫だという。丘の上の小さな家で蝶の研究を手ほどきし、悲惨な少女時代に希望の光を投げかけてくれたレノーラ。彼女が今、無実の罪に問われている。潔白を証明できるのは私しかいない……。ハーリーに説得され、ロバータは単身、レノーラの待つワシントン州の刑務所へと車を走らせた。長年胸の奥に封印してきた、悲しい記憶をたどりながら。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
siva
9
MIRA文庫だし表紙絵からロマンス小説のような印象ですが、ヒューマンドラマ。トラウマに苦しむ女性が過去に決着をつけるまでのストーリー。母子家庭の二組の母娘の愛情のあり方がなかなかよかった。2016/01/21
まみ子
6
二組の母子家庭。友情と母娘の愛情が様々な形となって交錯し、崩壊してしまう過去を追う物語。過去を振り返り、現実と向き合うことで、夫への愛、胎児への愛を目覚めさせていく過程は良かったです。内容がとても濃くて重たいし、最後は悲しみが尾を引きますが、再生ものとしては読み応えがあって心に残る良作だと思います。2017/02/13
こえん
1
登場人物達の色々な種類の愛情と、その表現の仕方が良かった。自己破壊型の表わし方もあったし自分勝手に見えるものもあったけど2008/12/31
