内容説明
にぎやかな街のなかに男と女が出現した。彼らは突然そこへ出てきたのである。しかも裸で。ただ腰のあたりだけを葉っぱでおおっていた。警察の取調べに、男はアダム、女はイブと名のった。目立ちたがりやの芸術家かぶれか、すこし頭がおかしいのか? だが二人とも大マジメ。やがてテレビ局が二人に目をつけ、いつのまにか二人は本物のアダムとイブだと決まり、学者がいろんな説をとなえはじめ、そして、事件が発生した――表題作「おかしな先祖」ほか9篇の“SF落語”集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
308
星新一さんのSF落語全10編は平均約20頁でシンプルなストーリーですのでスイスイと読めましたよ。やはり著者の良さは常に冷静で淡々とした語り口にあるのでしょうね。オチがとっても愉快な3編を紹介しますね。『心残り』重症患者専用の病室にいた男3人が話し合う。ハンサムな男は車の事故で下半身不随の身の上で、体が丈夫なヤクザ者の男は腸が弱く下痢体質で、太った男は金が切れると駄目だった。三人の共通の心残りは女にモテたいという夢で相談して医師にハンサムな男の頭部、体が丈夫な男の胴体、太った男の下半身を繋げて欲しいと頼む。2022/05/02
KAZOO
96
本当に何度読んでも古臭さを感じさせないで楽しませてくれます。発想が豊かで、SFとは言えないような気がします。今回も「戸棚の男」や「ほれられた男」などが印象に残りました。何度再読しても愉しませてくれます。平井和正さんの解説はどちらかというと「星新一論」というような感じです。2024/05/15
小梅
90
勝手に星新一月間で再読。解説が平井和正で星新一を崇拝してる楽しい文章でした。平井和正の長男と同級生だったので懐かしく、平井君のお父さんが星新一と交流があった事、仲人が星新一さんだったなんて、当時知ってたらなぁ〜と思いました。2017/09/17
KAZOO
60
ほんとうにいつ読んでもあまり時代性を感じさせないので今も若い人に人気があって、版をいくつも重ねているのでしょう。10の短篇が収められています。表題作もいいのですが「四で割って」もいいと思いました。平井和正さんの解説もかなりな星新一論です。2014/10/27
Kーazuki
51
【audible】星新一は、懐かしいなという思いで聴いてみた。昭和60年発刊らしい。その頃は、ショートショートが流行っていて学校の図書室で読んでいたな。昼休みに一つの話が読み終える短い小説。当時はSFブームで時代にピッタリとハマっていた。令和に読んでみるとそんなに古く感じさせないのは、昭和にはありえないと思っていたことが少しだけ現実にあるかもと思える時代に変わったからか?短編集で、ちょっと落語っぽくて面白いね。オチもなんとなく想像できてしまうが、それでいいと思えるのが星新一の良いところ。2025/01/06
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