出版社内容情報
都内の小さな公園で死体が発見された。警察は殺人事件と判断し、特別捜査本部を設置。捜査一課の音喜多弦は、音楽隊志望という少し変わった所轄署の刑事・鳴海桜子と捜査を開始した。遺留品にクラッシクコンサートのチケットがあったことから、関係者を訪れる二人だが……。時を超えた愛憎と狂気が渦巻く、慟哭の傑作ミステリ。 文庫書き下ろし
内容説明
都内の小さな公園で死体が発見された。警察は殺人事件と判断し、特別捜査本部を設置。捜査一課の音喜多弦は、音楽隊志望という少し変わった所轄署の刑事・鳴海桜子と捜査を開始した。遺留品にクラシックコンサートのチケットがあったことから、関係者を訪れる二人だが…。時を超えた愛憎と狂気が渦巻く、慟哭の傑作ミステリ。
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、2011年同作でデビュー。16年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズをはじめ、著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
145
天賦の才と欠陥、同時に抱えた様のままに憧れたベートーベン…幼き少年少女による『連弾』が導いた歪な純愛が奏でた交響曲の音色は哀しくてせつない…作品構成がスゴく上手くて面白い♬殺された人物を追う現代パートと、ある証言から浮上した女性の名を掘り起こす回想パートが徐々に噛み合っていく加減が素晴らしく丁度いい。捜査にあたる刑事2人のキャラと相性も微笑ましく楽しめるのも魅力!いつもながら大人の勝手な振る舞いに翻弄される子供達の悲劇に憤るばかり…歯車一つズレたことから生じた狂気、彼らの運命はどこに向かうべきだったのか…2023/02/09
machi☺︎︎゛
140
2019年に起こった殺人事件の話とその事件の関係者の幼少時代の1984年を交互に繰り返される構成。途中で犯人は分かるけれど、現在と過去のつながりが分かっていく過程が面白くて良かった。人を想う強い気持ちは時として間違ったものになってしまう。生まれた時から備え持った才能も使い方次第では凶器になってしまう。事件を捜査する音喜多刑事と音楽隊志望の少し変わった鳴海刑事のコンビも微笑ましくこのコンビでまた違う事件も捜査してほしい。2021/11/03
ゆみねこ
92
都内の小さな公園で見つかった他殺遺体。遺留品に人気音楽家・篁奏のコンサートチケットが。捜査にあたる音喜多弦(音楽とは無縁)と鳴海桜子(音楽隊志望で風変わり)のコンビ。殺された男をたどることと、篁の来歴を調べて明らかになったこと。ひたすら愛を求め、罪を重ねた男の狂気。面白かったです!お薦め。2023/01/12
TAKA
85
構成がすごく上手くできていて読みごたえがあった。もうここまできたら異常愛にしか思えない。すごい執念だな。ベートーベンに憧れベートーベンに為りきった。嘘を突き通すと嘘が真実だと錯覚してしまった狂気の男の悲劇。愛情に飢えた子供ほど歪んだまま大人になるという恐ろしいほど見本のようなもの。コンビの刑事のキャラがよかったので続編があるなら読みたい。2023/05/20
アッシュ姉
84
嘘つきと仲間外れにされた男の子に同級生の女の子はピアノの楽しさを教えてくれて、暴力を振るう父親からも救ってくれた。幼き日の思い出は時とともにそれぞれ違う景色へと変化していく。過去と現在がどう繋がっていくのか知りたくて、長さも気にならずにすいすい読めた。事件の真相もさることながら、刑事のコンビも面白かったので、続編も是非読みたい。2023/05/08
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