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内容説明
なんとなく不公平だ――現在、社会の気運として「体感格差」は確実に上昇している。このことは一体何を意味するのか。中原中也賞受賞、気鋭の30代女流詩人が現状を鋭く分析。
目次
第1章 黒山もこもこ、抜けたら荒野(思い出の人混み/人混みの思い出 あらかじめ失われた世代 ほか)
第2章 「普通」へのノスタルジア(「三種の神器」時代を遠く離れて 母親はお見合い結婚世代 ほか)
第3章 世代観闘争(世代論はなぜ好まれる? 日本社会は「単一的」なのか? ほか)
第4章 一九八〇年代―文化系女のサブカルチュラル・ターン(不思議少女と呼ばれて 文学少女はサブカルにより更新された ほか)
第5章 自分のことは自分で決められる、の罠(選んだものが負けていく またしても過渡期の世代 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
31
「敵は日常にあり。」詩人/社会学の「知識集約型高齢フリーター」による、これは何というか、自伝+つぶやき=論文。「人生谷あり崖あり、捨てる神あれば突き落す神あり」だった自分史を「私憤を大爆発」させることで描いた<高度成長期以降の社会構造変遷史>。著者は1970年生まれで、バブル後の就職氷河期の世代。高度成長期の負の遺産でアスベストが剥がれ落ちるように<剥がれ落ちゆく世代>が、当事者として直面した、ニートや非正規雇用を生み出した社会構造の批判的分析は、鋭い。しかしどこか突き抜けた明るさがあって類書を凌駕する。2014/08/05
pom
2
今一つ共感出来なかった。俯瞰するとって言葉が繰り返し出てくるが、自分の世代(デフレ世代と言われているが)はワリ食ったという話に終始されている印象。詩人なのに博士号に執着してるのは変な感じがしたっていうのは私の偏見?2015/03/28
まいこ
2
小中学校高校、それから大学院の話はあるのに、大学の話がすっぽり抜けているのはなぜだろう?70年生まれで就職活動したのなら、何十社も受けてやっと一個内定を取るような時代ではなかったはずだけれど、そこの流れが今ひとつわからなかった。 メディアの中の理想的な人物像や生活スタイルなどに煽られて現代人はマイナス地点からスタートすると書かれているが、例に挙げられているような、テレビドラマの登場人物を準拠集団にするほど真剣にテレビを見ている人も今はいないのではないか。2014/09/21
明智紫苑
2
筆者が「個性的」という言葉を嫌うのに対して、ネット上で「自分は頭が少しおかしい」などと自己申告をする人はむしろ「凡庸コンプレックス」の塊なんだろうと思うね。2014/06/19
RYOyan
1
読み終わってタイトルの意味がよくわかりました。僕の場合は早く就職したので、環境的にはちょっと上の世代寄りだったのだけど、価値観的には下の世代の方が近い気がする。なんだか宙ぶらりんな居心地の理由がよく見えてきた。2013/08/30