内容説明
見て見ぬふりをせず、マナー違反の他人を「怒鳴る」、泣き寝入りをやめ、堂々と「クレーム」、気にくわなければいきなりトップに「謝罪要求」……。公共の場で居丈高に振る舞い「自分は正しい」と思い込む、いい年をした大人たち。いつから、どこから、日本人は、こんなにもキレやすくなったのか。「正義感」と「妄想」の境界線はどこに? 希代の「世相ウォッチャー」である精神科医が、臨床での経験を元に現代社会の病理を読み解き、キレないための処方箋を示す。
目次
第1章 見て見ぬふりをしない人
第2章 泣き寝入りをしない人
第3章 「それでも私は正しい」人
第4章 いきなりトップにメールする人
第5章 昔の怒りを抑えられない人
第6章 ネット上だけ「正義の人」
第7章 キレる脳のメカニズム
第8章 キレなければ生き残れない社会とは
第9章 キレないための処方箋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
38
キレる大人、確かによく見かけるようになった。役所で、駅で、ショッピングセンターで、電話でもキレている大人も多い。じゃあ子供はどうかといえば、 デジタル・ネイティブ世代、何事も無関心でひたすら携帯の画面をながめ続けている。子供たちが大人になったとき、どんなキレ方をするのだろう。本の中で、フランス文学者の言葉にこんなのがあった。「現代の消費社会を気づかいの社会であると同時に抑圧の社会であり、平和であると同時に暴力の社会」 2014/08/05
ユズル
21
読んでいたと思ってたけど未読のようでした。暴走老人とか言う言葉が出始めたのは最近のことですね。老人の犯罪者も多くなってきたし、キレる大人、多くなったね。キレられた方はたまったもんじゃなく、そのイライラが新たなキレる大人を作っていく。私も小さくプチプチキレる大人予備軍なので、抑えて生きたい。2017/02/01
佐島楓
19
エイジレス社会による成人の幼児化、ネットの普及による「待てない大人」の増加、過剰な自己愛など、最終的に病気に帰着しない分析は正しいのではないかと思った。2013/06/09
葵@晴読雨読
15
“自己主張が必要な人はいっこうにできず、その必要があまりない人がどんどん自己主張をし、さらにキレて相手に迷惑をかけてまで自分を通そうとする。これが今の社会の実情なのだ。”2013/12/21
B.J.
9
「キレるのは、かなりかっこ悪い」ということ。自分の外にカメラがあるつもりで「私は今どんな 姿でキレているか」をちょっと外側の視点から見直してみるのはどうだろう。・・・本文より2020/02/15