内容説明
万物の霊長と自ら位置づけてはいるものの、「文明という厚化粧」を剥ぎ取ったときに現れる人類の姿は、「体毛のない一夫一婦制の哺乳類」に過ぎない。そしてヒトの食物獲得戦略や生殖戦略から浮かび上がる特性は、なんとネズミと恐ろしいほど似ているのだ! いったい、ヒトとは何者なのか!? 目から鱗の「人類学」。※本作品は2005年10月刊行されたものを、文庫収録にあたり再編集したものです。
目次
プロローグ 動物のお医者さんとヒトとの関わり
第1章 ヒトは草食動物?
第2章 ヒトは何を食べる?
第3章 ヒトが裸である理由
第4章 ヒトはなぜ群れるのか
第5章 ヒトは何歳まで生きるか
第6章 ヒトは何年哺乳すればいい?
第7章 ヒトにとっての哺乳ビンとは?
第8章 ヒトは不老長寿か
第9章 ヒトは何をしてきたか
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆでたまご
3
人の習慣や行動には必ず遺伝的背景があるんだなぁ、と面白く読みました。ヒトとしての身体の仕組みを知り、ピンピンコロリを目指したいものです、笑。2015/09/18
フジイシンイチロウ
1
私にとって、たいへん興味深い内容が満載でした。多くの新情報にワクワクして読みました。例えば、ウシは胃に多くのバクテリアがいることは知っていましたが、その増殖したバクテリアそのものを消化して、肉食動物以上のタンパク質栄養を得ているなんて、ビックリでした。何度か読み返してみたい書物の1つです。2019/04/10
Kanbukyoukou
0
以前読んだ「人間の性はなぜ奇妙に進化したのか」にも通ずる内容もあり、非常に興味深く読ませてもらった。2015/10/16
kazarin
0
やっぱり農耕を始めたことは良いことも、悪いことももたらしたんだな。 かなり学術的内容も含まれますが、後半の方でご家族のことに触れていて、ほほえましく思いました。2015/07/07
Ryo Sogawa
0
生物として見た人間についての考察をベースに興味深い文明論が展開されていた。特に、必須アミノ酸の充足の観点から食を論じ、更に農業によりこれがどう展開したかという部分は腑に落ちた。2012/10/18