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内容説明
音楽はあらゆる芸術をつかさどる。
そればかりではない。
生命原理と創造性の本質にも通じているのだ。
わたしたちはみな楽器であり、音楽家である。
脳の中では、常に交響曲のような働きが起こっている。
耳をすませば、世界を満たす豊饒な旋律が聴こえてくるだろう。
そして人生とは、自分だけのハーモニーを奏でることなのだ。
シューベルトをはじめ、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーバー、ワーグナーetc.かつて「未完成」との印象的な出会いをした脳科学者が自らの体験をもとに語り誘う、音楽の新たなる地平。
目次
第1章 音楽は微笑む(私の中に楽器がある―シューベルト/交響曲第八番「未完成」;人生の絶対的な座標軸 ほか)
第2章 音楽との出会い(あの静かな没我の様子―R.シュトラウス/歌劇「エレクトラ」;「知りたい」という気持ち ほか)
第3章 音楽と創造力(まるで一つの啓示のように;モーツァルトとザルツブルク ほか)
第4章 音楽のように生きる(日々と音楽―ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」;知らない自分との対面 ほか)
第5章 特別対談 「音楽の力」―ルネ・マルタン×茂木健一郎(ルネ・マルタン印象記―茂木健一郎;本物の「美」と出会える場「ラ・フォル・ジュルネ」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
104
茂木さんが、音楽への愛情を熱っぽく語った本。他の著書のような科学的な要素は少なくて、詩的な文章が印象的だった。個人的に心の底から共感できる部分があったのは驚きだった。4章の「言葉と音楽」の「言葉は音楽として聞くことができる」と書かれている。私もまったく同じような感覚で、言葉に接しているのでこの部分は本当に嬉しかった。文章の意味に拘泥するのは呪いだ、という意見にも賛成だ。日本人は特にこの傾向が強くて、息苦しく感じることがある。人間の脳の中には音楽があり、それが表に出てくる時に言葉のリズムになるのだと思う。2017/10/11
ナマアタタカイカタタタキキ
69
脳科学者が語る音楽。ご本人が音楽をこよなく愛してらっしゃるのが読んでいて伝わってくる。音楽の至福とは、音楽そのものの核心=全貌がはっきりしない何かに接した時の愉悦であり、その音楽の本質を理解しようとすることは、生命なるものの芯を見据えることと同じであるという。音楽は他の芸術形式と比較して感覚的である為に低俗だという主張を、他の書籍か何かで目にした記憶があるが、寧ろここでは直接本能に訴えかける力を持っているからこそ素晴らしいとされている。人々の内なる音楽は、常に解放を待っているのだ。締めの言葉にグッと来た。2021/01/04
イプシロン
28
茂木さんが若い頃から音楽に接し、直感的といえる関わりを重ね、想像以上に造詣が深かったのは驚きだった。世界と音楽は振動からできている。楽器は倍音として振動を重層的に重ね、チェロやヴァイオリンなどが主題や装飾音を奏で、ハーモニーと旋律を歌いあげる。生きものたちの暮らしも、脳もまたそうだということが感じられる著作。茂木さんの持つシューベルト観、――大衆が人間性溢れる音楽を聞くことで世界がより良くなるという思想には賛同する。編者との共筆ゆえいささか言っていることに矛盾があるのが少し残念なところか。2018/07/23
wildchild@月と猫
27
ジャンルには拘らず、様々な音楽が好きな私にとっては、茂木さんの言わんとする、『脳内の神経細胞も、シンフォニーを奏でているようなもの』という感覚は、理解できる気がする。ただ、音楽への想いが溢れるあまりか、やや文章が自己陶酔的かな?との印象。この内容ならクオリアへの言及は不要だと思った。最後のルネ・マルタンさんとの対談が一番印象的で面白かった。「音楽とは、この世で最も美しい言語である」という一文に心から共感する。読み終わった後、クラッシックが聴きたくなった。2014/08/28
佐島楓
26
主にクラシックを著者が聴いたときに得られた感動を記したものなので、無学な私にはよくわからなかった。理屈や論理を超えたところに生まれる喜びが音楽にはある、というのは実感できる。2014/10/27
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