内容説明
栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。アルバイト先のTV局内で発生した女子高生連続殺人事件を、ロック・バンド仲間の信とヤスヒコと解決しようと挑む――。当時の若者たちの感覚や思考を背景に、凝った構成と若々しい文体によって、シラケ世代とミーハー族の心の断面をえぐった江戸川乱歩賞受賞作。1979年週刊文春ミステリーベスト10第1位。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
59
〔再読〕栗本薫氏のデビュー作品です。江戸川乱歩賞を授賞した作品としては、初めての作風と思い、手に取った記憶があります。『無感動、無関心、無責任』の当時の若者の事を三無主義と言いました。そう呼ばれた若者たちの、規制秩序に対する異論がミステリーの枠でなされた作品です。子どもである事の哀しさを伝えているのは分かりますが、私は当時も子どもである気楽さ、三無主義でも何とか生きていける、社会の優しさを感じるべきだと思っていました。シラケ世代、ミーハー族等呼び名は幾つか在りますが、その内面性を鋭く描いていると思います。2015/01/04
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
53
栗本さんのデビュー作?であり、乱歩賞受賞作。読んだのは旧版の方でした。そう時代が変わらないはずの乱歩賞「アルキメデス・・・」に比べると、こちらはずいぶんとライトで現代風の若者の姿が描かれている。こちらの方が今読んでも違和感がない。★★★
くたくた
52
なるほど「推理文壇」なるものがあったのか。その「文壇」に、超新星のごとくデビューした薫サンのデビュー作。江戸川乱歩賞にふさわしく、若く瑞々しいのに熟れている。薫サンの傑作。と、いうか薫サンのこれが絶頂期なんじゃないのか?ここからゆっくりと凋落していくのが薫サンの生涯だったのか、と思うと切なくもある。ここで、担当編集やら、出版社やらが丁寧に育ててくれていたならば、早書きだけでなく、じっくりと書く作法を躾けてくれていたならば、どれほどの作家になったろうか、と考えるのも詮無いもの。とにかく、これは良作、名作。2022/08/19
ちょこまーぶる
47
再読されている方が多いようですが、初めて読みました。当時の若者やアイドルの姿が表現されていて、自分がとても好きな時代なので、ニヤニヤしながら読み進めました。ミステリーとしては、とてもシンプルな内容ではありますが、大人には理解されないアイドル命の少女の集団心理や大人の世界に近づく事を避けているロック少年たちの言動に対して非常に好感が持てる一冊でした。そして、あの時代は表に出てこなかった類似した出来事が芸能界にはあったのではなかろうかとも思わせる一冊でした。郷ひろみ、西條秀樹、レイジ―を思い浮かべながら読了。2014/05/14
たかなし
28
面白かった。テレビ局を舞台にしたからか書かれた年代を感じるようなシーンも多々あり、へーと思いながら読みました。中盤までは普通にほーんって感じなんですが後半からの怒濤の展開は完全に不意討ちでひええっと思いました(笑)中盤まで侮っててすみません!(笑)なお、語り手の栗本さんもとってもいいキャラなのでめっちゃ好きです。続編あるなら読みたいです2018/10/25
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