内容説明
ゲイ/レズビアンの子とその親、生徒と教師の往復書簡。家族への、身近な人への告白。初めてうちあける子どもの思い。母親の驚き、葛藤、そして受容。生徒と教師の真摯な対話。18歳から82歳まで、7組19通の手紙と2つのストーリーを編んだ。ゲイ/レズビアンの子をもつ親たちの座談も収録。
目次
I 母へ、息子へ、娘へ──家族のなかのマイノリティ
letter 1 母さん、あのとき泣いてたか
letter 2 レインボーマーチのある街で
letter 3 息子と世間と小説と
letter 4 二十歳を迎える勇太へ
letter 5 はじめから私の答えはひとつ
■カミングアウト・ストーリー1 岸田さん父子のこと
II 先生へ、生徒だったあなたへ──教室のなかのマイノリティ
letter 6 「ムーミン谷とマイノリティ」レポートにこめたもの
letter 7 当事者であることを選ぶ、ということ
■カミングアウト・ストーリー2 朝原さんの高校でのこと
III この本を読んでくれたあなたへ
座談 なにがあっても、わが子ですもの
──レズビアン・ゲイの子をもつ親として
解説 カミングアウトを考えているあなたへ、
カミングアウトを受けたあなたへ。
[巻末資料]あなたと、その周囲の人のためのコミュニティリソース
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
156
ゲイやレズビアンの子ども8人が親または教師にカミングアウトした時を振り返り、往復書簡形式で本音を語った手紙と、カミングアウトされた親を集めた座談会での会話をまとめた本。カミングアウトが受け入れられ、ほぼ成功した人達だけを取り上げているので、同じく親にカミングアウト済みの当事者としては重なる想いやエピソードに感動する部分はあった。しかし拒絶され親子の断絶になるケースのほうが多い現実を忘れてはならない。個人的には手紙の内容より、親たちの座談会のほうに正直な気持ちが表れており興味深かった。(コメント欄に続く⇒2014/07/03
りゅう☆
92
先日NHKで「同性を好きになった時に読む本」として紹介された1冊。自分はゲイだということを母にカミングアウトする再現シーンで心にグッとくるものがきて。ゲイ/レズビアンであることを母親にカミングアウトした時の心境を綴り、それに対して返信の手紙を書くという往復書簡。ゲイであることに孤独や不安を抱え、色々な葛藤がある。でも幸せなんだよ。嘘偽りのない自分をまずは母に知ってもらいたい。そしてその事実を知った母はどう思ったか。すぐに受け入れることができない現実ではあるけど、それでもあなたは私の大事な子どもである前に→2022/05/02
けいご
41
初めて好きな人ができた時はどうしていいかわかんなくって、好きな人を目の前にするとドキドキして自分を保つのもやっとで、毎日毎日なんかワクワクしたりソワソワしたりしながらも楽しかった青春時代の記憶があります★そんな気持ちがすべてにおいて「罪」だと言われたらあなたならどんな気持ちになるだろう?言葉にする事も、態度で表す事も、誰かに相談する事も出来ずひたすら隠し通す事しかできない青春時代しか用意されていないとしたら?当たり前に恋をした事がある人達なら尚更読んで欲しい1冊でした。2024/01/01
ばいきんまん
29
'15.2-3(7)手紙のやりとりの部分は、まぁるく解決よかったねというようなものばかりで「受け入れてくれる親ばっかじゃないだろうに」と思った。そしたら後ろのほうで座談会の様子が書かれていて、親の絶望感とか気付いてあげられなかった罪悪感などリアルに感じられた。「お母さん、僕好きな人がおる」「好きな人は男の人やねん」とうつむき元気のない息子に「好きな人がおるんやったら元気だしなさい、男でも女でもかまへんやんか」と返した母、素敵。2015/02/11
亜希
22
同性愛の子とその親、生徒と教師などが、カミングアウトした当時のことを書いた往復書簡をまとめた一冊。本書の出版が2007年、さらに過去を思い出しながら書いているため、同性愛について今よりもかなり風当たりが厳しかったことが想像される。情報は古いけれど、いつの時代も親が子を想う気持ちは変わらない。特に1組目の昌志さんのお母さんの手紙が泣ける。”親にはゲイに対する偏見ではなく、子に対する親の心配があるものなの”って本当にそれ。色々言いたくなってしまうけれど、我が子には幸せになって欲しい、ただそれだけなのです。2024/01/06
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