新潮文庫<br> 密謀(上)

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新潮文庫
密謀(上)

  • 著者名:藤沢周平【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2011/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101247120

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内容説明

織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の“関ケ原”へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

411
信長謀殺の報を受けて、備中高松城の攻城戦から電撃的な行軍で明智光秀を討ったことによって、秀吉は信長後の覇権に向けて大きく一歩を踏み出した。もっとも、この時点ではまだまだ流動的な要素も多かったが。物語はそこから、秀吉が亡くなるまでの期間をいたって客観的に描いてゆく。上巻では、上杉景勝第一の側近であった直江兼続を視点人物に世の中の動きが記される。その点にこそ特徴が認められるものの、ここまでのところは藤沢周平らしい人間描写が発揮されることがない。あまりにも天下国家を語り過ぎて人情の機微を描く余地がなかったか。2021/06/16

yoshida

117
藤沢周平さんの描く関ヶ原。上杉家の視点から描かれる。司馬遼太郎さんの関ヶ原と異なるのは、直江兼続と石田三成がそこまで蜜月の関係でないこと。上杉家の家風は義であるが、家運を賭けるものではないこと。まあ、石田三成から直江兼続への好意はありますね。本能寺の変の直前から、秀吉の死までが描かれます。如何にタイミングを見て、上杉家が秀吉に臣従したかが分かります。また、庄内を争う上杉家と最上家の抗争も新鮮。沈毅な上杉景勝と才気ある直江兼続のやり取りが楽しく、隠密達も人間臭くて良い。藤沢周平さんならではの面白さがある。2020/07/11

ふじさん

98
信長から秀吉へと天下が急旋回し、関ヶ原へと向かう戦国時代末期は、策謀と陥穽が渦巻く時代。東国の雄・上杉で景勝を支えるのは、若き知将の直江兼続。困難な時代を兼続の卓越した慧眼と草の暗躍を軸に、戦国の世を独自の歩みで生きた景勝と兼続の主従の絆を描いた時代小説の力作。藤沢周平の作品としては、少し難しく戸惑うこともあるが、激動の時代を彼独自の視点も加えながら、描いており面白い。石田三成と直江兼続の関わり合いも興味深く、あまり語られることのない石田三成の人柄や政治姿勢が垣間見れて興味深かった。下巻が楽しみ。 2022/06/10

とん大西

98
硬派で劇画調。本格的な歴史小説を楽しめました。謙信以来の義を唱え、越後を死守してきた上杉。信長亡きあと台頭したのは英雄秀吉。毅然と渡り合うは上杉景勝。そして以心伝心の主君に仕える執政・直江兼続。無二の忠臣兼続の深謀遠慮が冴え渡る。探り、時勢を読み、戦い、謀る。兼続擁する忍の暗躍もスパイスとなり、戦国末期の緊迫感がヒリヒリ伝わってくる。そして、-秀吉逝く。頭上の分厚い雲から解き放たれた上杉。家康も然り。豊臣の世か群雄割拠か。はたまた…。抜き差しならない強者どもの心理戦。さぁ、関ヶ原。兼続は如何に?下巻へ。2018/06/25

nakanaka

89
直江兼続を中心に豊臣から徳川へと移行していく時期を描いた作品。藤沢作品の歴史小説は初めてでした。その中で「草」といわれる兼続配下の忍者たちの活躍がひと際異彩を放ちただの歴史小説ではない内容にしています。上巻で秀吉が死去するので下巻での徳川家康と石田三成の攻防が楽しみです。2018/08/07

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