内容説明
「煩わしい現実社会から退き、自然の中に溶け込んで生きる存在」、悠々自適の“隠者”としてイメージされる老子。しかし、そうした姿はほとんどの人にとって望めない。IT社会での情報の量と質は完全に人間のキャパシティを超え、緊張はキレる寸前だ。だが、老子はいう。「火を起こすフイゴ(風を送る道具)の中で、一番大切なのはガランドウの部分だ」。さらに、「宇宙の生成の原理=道(タオ)に満ちた次元に身を置いて、現実を見つめ直そう」と語りかける。自己のアイデンティティを取り戻し、生命のある限り誰かのために頑張ろう、という勇気を与えられる。歴史上にも宮本武蔵や坂本竜馬など、老子の積極性を糧として活用した人物は数多い。本書は、そうした生き方も辿りながら、現代における“老子的生き方”を模索する。毎日出合う難問・危機に対して、心を空虚にし、流れこんでくる一切を避けずに受けとめ、ひとつひとつの事柄への対応策を見出す。
目次
第1章 老子的人間―“フイゴの思想”を実践した人々
第2章 老子的社会―「小国寡民」のユートピア
第3章 老子的発想法―「柔弱」が「堅強」を制す
第4章 老子的政治―聖人は“無為自然”にへりくだる
第5章 老子的リーダーの姿―へりくだりの極致「負けて勝つ」
終章 老子的生活―現実社会で“市中の山居”をつくる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マキト
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タイトルは男の老子と意味ありげな印象を持たせている。ここでの男とは歴史上の有名人物の事。つまり歴史上の人物が老子的な思考で行動した事の羅列と作者自身の老子的思考に基づく日々の生活が述べられている。要は、自分が老子的思考だと感じる事を行えという事を言いたいのだと思う。老子について深い洞察を求めている人には不向きな本かもしれない。2017/06/01
sakase
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老子を集中して読んでいます。2013/06/12
zakupippo
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筆者が、老子的なエピソードを独断で語る本という印象だった。老子について知りたかったが、筆者の意見が強いです。2023/05/16