内容説明
ペリー来航から明治元年まで、わずか十五年。この短い間に、全国各地でさまざまな人たちが命を懸けて戦った幕末維新の動乱は、数多くのドラマを生み、それらがからみあいながら日本は新しい時代にたどりついた!しかし、人の立場も藩の動きも「紆余曲折」「二転三転」していて、当時の実態はものすごくわかりにくい。たとえば、ペリーが来た頃、徳川幕府と薩摩藩は仲が良く、また天皇は幕府を信頼していたのに、いつの間にか薩長が連携して天皇を擁し、倒幕の中軸となる。どこで何が変わって、こんな事態に至ったのか?本書は、30のエピソードを通して難解な幕末維新の実像を解説している。「倒幕を正当化する根拠を徳川一門が用意していた」「坂本龍馬は徳川家を守ろうとしていた」「徳川方は錦の御旗に対抗して日の丸の旗印を掲げたことがあった」――教科書には書かれていない話を豊富に盛り込み、幕末維新のストーリーが面白く、すっきりわかる一冊である。
目次
第1章 維新前夜(倒幕が正当化される理由は、はるか以前、あの水戸黄門が用意していた 幕末のスローガン「尊王攘夷」は、全く非現実的なものだった 幕末内戦の実態は、フランスとイギリスの経済の“代理戦争”だった ほか)<br/>第2章 倒幕運動(当時の天皇は、徳川家とたいへんに仲がよかった 倒幕派が一挙に形勢逆転できたのは、天皇の急死のおかげだった 薩摩藩の倒幕軍資金は、密貿易で稼いだものだった ほか)<br/>第3章 幕府滅亡(慶喜の前の徳川将軍のラブ・ロマンスが続いていれば、明治維新は起こらなかった 新選組は、徳川の「汚れ役」を引き受けるための組織だった 幕末戦の切り札となったのは、ある一つの大砲だった ほか)