内容説明
「僕はいままで役者を育てたことはないけれど、英子を、僕の戯曲を通して育てたい」――
三島由紀夫と過ごした濃密な6年間。三島没後、沈黙を守った女優がはじめて明かした、37年目の真実。
目次
三島先生の言葉から(出逢いから傍に落ち着くまで 先生のお傍で ハロルド・クラーマン氏を紹介されて 先生と鶴田浩二氏との秘めた友情 ほか)
戯曲編(班女―近代能楽集ノ内 鹿鳴館 朱雀家の滅亡 サド侯爵夫人 ほか)
感想・レビュー
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安南
37
『癩王のテラス』その他、三島戯曲理解のために。恥ずかしながら、今迄この女優さんを知らなくて。写真を見る限り、好ましい外見。舞台メイクをしたところなど、アナイス ニンにも似ていて素敵。一度舞台を観てみたかった。全体にガハハ笑いの三島像が描かれている。こういう手記などを読んで毎回思うのが、女性の目から見た三島はいつも優しい紳士。本気で相手にしていなかったといえばそうなのかもしれないけど(恋愛相手としても芸術家としても)でも、やたら女に対して愛憎渦巻いちゃったり、理想を押し付けてくる作家よりずっといいと思う。2014/11/26