内容説明
戦争とは、人間の社会に常に存在してきた「不可避の現象」などではない。むしろ、一定の条件の下に成立する「社会現象」であって、その条件がなくなった時には消滅するはずのものなのである……。人類の誕生から現代の「イラク戦争」「対テロ戦争」までを射程に収め、戦争が成立してきた条件を問い直し、「戦争時代の黄昏」と「不戦時代の到来」を告げる文明論的考察。
目次
第1章 「戦争」の意味が変わった
第2章 戦争は「社会現象」である
第3章 戦争は「国際政治」と共に生まれた
第4章 五つの「地域システム」
第5章 武器革命の歴史
第6章 「不戦時代」はなぜ到来したのか
第7章 日本の選択
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レコバ
3
ここで語られる狭義の戦争と土地の価値に対する言及が興味深い、つまり定住と人口増により戦争が始まりグローバル化によりその意味を減じたというもの。ナショナリズムについても体型建てて理解していないことに気付いた。ベネディクト・アンダーソンの想像の共同体でも読んでみるか。2014/04/01
しゅー
1
★★ 佐藤優の推薦本その3で、ページ数は少ないものの新書にしては骨があり、読みごたえがある。そのせいか、そんなに古い本でもないのに図書館で書庫にしまわれていた。「戦争」とは何かを通時的な視点で丁寧に定義しなおしたうえで、現在は「不戦の時代」が到来していることを確認する。その上で、日本が「終わった戦争」に固執することなく、積極的平和主義に踏み出すべきと言う提言だ。日本人が戦争と平和に「法制的思考、観念主義、戦術的アプローチ」のパラダイムで臨んでいると言う指摘は納得する。現実主義に基づき、戦略的思考で挑もう。2020/01/12
東京には空がないというけれど・・・
1
戦争の起源が良くわかった。8割は納得したが、2割はいまひとつ理解できない。今は本当に不戦の時代なのだろうか?だから、紛争を起こすやつには軍事的制裁が必要だという論理は通じるのだろうか?ISはなぜ生まれてきたのか、原理主義にどうまきこまれるのか。その根本的な原因究明がなされないと、最終的解決に至らないのではないだろうか。戦争の火種は心の中にあると思う。モグラたたきに、日本も積極的に参加すべきということでよいのか。敗戦国であり原爆を2個喰らった国のスタンスは、もっとほかにはないのだろうか?。2017/01/25
Sparky
1
不戦時代の今、犯罪行為としての戦争を抑止するための積極的平和主義。もう少し、時の総理も言を尽くせば良いのに。2014/02/23
双海(ふたみ)
0
ふーん。