徳間文庫<br> 夜の分水嶺

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徳間文庫
夜の分水嶺

  • 著者名:志水辰夫【著】
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 徳間書店(2016/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198926625

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内容説明

元警部補の青野は仕事先でトラブルに巻き込まれ、殺人容疑者として追われる羽目に。逃げ込んだ軽井沢の山荘で、秘密機関と闘争中の男から、彼の妹を脱出させるよう頼まれた。二人の未来は? 逃げろ! 地の果てまで。世界は恋人たちの為にある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

55
小説は作り物・想像の副産物といわれるが志水辰夫さんの小説はいつも考えさせられる。政権が汚職や、それこそ森友・加計など疑獄事件などあった時などトカゲの尻尾切りのように自殺者や病人を作る国家の御用達機関が本当に存在するかのようだ(私は有ると思うが・・)。それだけ読み手を引き込ませる。ドキドキしていつになったら国家権力は二人の追跡を諦めるのか・・。泰治郎が敵の回し者かと勘違いした私を許して下さい(^^;。ハードボイルド小説の好きな読み友さん、是非これを!はつの一気読み、緊張感がまだ抜けません。2018/10/20

うえぴー

21
登録者32名。何ということだ。志水辰夫の冒険小説の名品だぞこれは! まず主人公の激情とアクションがある。多くは語られないまま状況がどんどん予想しない方向に動き、ひと段落したところで背景が少しずつ語られる。逃げる男。出会う人たちとの共闘/裏切り/友情/ほのかな恋などが次々に現れては消えて、残ったものは強固になっていく。サブキャラを含め、魅力的な人物の何と多いことか。現代日本を舞台に、壮烈な追う/追われるのマンハントが、舞台となった豪雪地帯の春を背景に、丁寧にかつ詩情たっぷりに描かれる。シミタツ節を満喫した。2017/03/02

たーくん

6
再読→→→エリート警部補だった青野は、警察の閉鎖的な世界に倦んでいた矢先、飲酒運転で依願退職した。続いて、誤認による殺人容疑。逃げ込んだ浅間の山荘には、国家秘密機関の男がいた。男は握った機密を楯に、組織からの脱出を試みていた。組織は男を抹殺にかかった。同時に青野と、そして男の妹も。銃弾飛びかう山荘を出た青野は、女を抱え、山並を越えて、ひたすら逃げた。その果てに何が待つのか?長篇ハードボイルド。 2018/09/26

yamakujira

6
殺人容疑をかけられた青野は、逃走中に武井と出会う。国家機密を握る武井は山荘に籠り、警察権力の襲撃に武力で対抗しようとしていた。戦闘が始まり、武井の妹を連れて、青野は山荘を脱出する。山なみを駆け抜ける逃避行、迫りくる敵との銃撃戦、いつしか育まれる愛情。アクション映画のようなスピード感が楽しめる。青野の過去とか、武井の握る機密とかをからめて、体制に反抗する壮大なハードボイルドを想像していたら、ふたりの逃避行だけで終わっちゃったな。タイトルの「分水嶺」は苗場山のこと、他に意味はなかったのかな。 (★★★☆☆)2015/11/17

おぎにゃん

6
国家権力を敵に回し、雪深き北信濃山中を逃走する恋人たち。女はなぜ逃げるのか?兄が国家権力の敵に回ったから。男はなぜ逃げるのか?女を愛したから…先が見えなくとも、二人に絶望という言葉はない。なぜなら、二人は愛し合っているから…二人の逃亡に手を貸す男たちの造形も素晴らしい。ラストの静謐感には安らぎさえ覚える。志水節全開で臆面もなく「愛」を謳い上げる。ラブ+冒険小説の大傑作!2014/02/08

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