内容説明
富士山噴火によって被害を受けた農民を救うべく奮闘する、関東郡代・伊奈忠順。だが幕府内の政争の前に、彼の努力もむなしく、農民たちは次々に飢えていく。ついに忠順は決心する。たとえこの身がどうなろうと、幕府米五千俵を秘かに農民に与えよう――。農民救済に命をかけた代官の生涯を壮大なスケールで描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
81
富士山の大噴火で被害を受けた農民を救うべく奮闘する関東郡代伊那半左衛門、幕府内の政争の前に、彼の努力もむなしく、農民の苦境は続く。そんな中、遂に彼は命がけの勝負に出る。飢えに苦しむ農民の救済に命を賭けた代官の生涯を壮大なスケールで描いた傑作。彼の献身的な働きには感動を覚え、読み応え十分。同時に、富士山の大噴火に翻弄される悲劇の女性、虚構の登場人物のおことの波瀾万丈の生涯も辛く哀しい。同じ立場のつるの人生とは真逆なのに心が痛む。大噴火に関わった多くの人々の生き方が、丹念に描かれており一気に最後まで読んだ。2026/02/12
優希
53
農民たちが次々と植えていく姿がつらかったです。だからこそ命懸けで動いた伊奈半兵衛。その生涯はかなりのスケールがありました。自分より身分の低い立場を救おうとした姿が刺さります。2023/08/10
kawa
39
読み応え充分。綱吉から家宣に将軍位が引き継がれるとき、側近として位を極めた柳沢吉保も間部詮房・新井白石らに実権が奪われていく。そんな中で起こった宝永富士山噴火に農民を救わんとする関東郡代・伊奈忠順や、彼を取り巻く幕府官僚の様々な暗闘と凄まじいスパイ国家の如き江戸時代の様に目を見張らされる。お隣の歴代韓国大統領の非業な顛末や中国・北朝鮮の度を越す体制監視ぶりに?だったのだが、日本にもそう変わりない歴史があったことを再確認する思い。その中での農民のおことや文吉の描き方が秀逸でピりっとした味付けが巧妙で上手い。2023/05/08
James Hayashi
39
時代モノらしいエンディング。記録をもとに書かれた小説。タイトルのごとく富士の噴火という大自然の脅威に打ちのめされる民衆を描いているようで、実質権威者のもとでの民衆の苦悩が痛い。ここでは民衆の代弁者であった伊奈忠順の慈悲、役人たちの腹黒い思惑、権力争いなどをメインとした人間ドラマ。しかし状況は震災、福島原発事故を経験した被災地の方に通じるものがあるように思われ、怒りと悲しみが交差する。未来の富士の噴火を恐れる一方、為政者の叡智なる行動を望む。2018/02/02
金吾
37
伊那郡代は領民のためにしたことは信念と慈愛に溢れたすごいことだと思いました。正しい人が報われるわけではないということに考えさせられるものがありました。ただおことの部分は引っ張りすぎだと感じました。2022/08/23
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