内容説明
「信長に仕えるくらいなら、浪人したほうがましや」。美濃にその人ありと知られた武将・日根野弘就(ひねのひろなり)は「信長を討つ」という決意のもと、新たな主を求め東国に向かった。が、苦労して仕官した今川家での待遇は、美濃の五千貫文に対してわずか百貫文。弘就の波乱と忍耐の人生が始まった。〈『浪々を選びて候』改題〉(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
18
美濃斎藤家で重臣だった日根野弘就が強大な権力者となっていった織田信長を倒すことを誓って各地を流浪していく様を描いた作品。読みがいがあった。2025/05/18
ウィズ
17
信長、秀吉、家康と同じ時代を生き抜いた男の話です。十代や二十代の頃は三人の天下人に憧れましたが、この話の主人公の苦労がよくわかる年になってしまいました。2015/05/24
BIN
6
斎藤龍興の重臣であった日根野弘就を描いた作品。余程のマニアじゃなければ詳細は知らないと思いますが、斎藤→今川→浅井→本願寺(長島)と織田信長に対して反抗し続けた人物です。惣領としてのプライドと一族との関係性の間で悩む姿はいいですね。最終的位には織田、豊臣家臣になり、なんだかんだで大名であり、最後も反抗した感があっていいですね(裏付けする史料はない模様)。能力的には信長の野望の数値で納得な人物でした。2025/09/16
マサ
3
戦国の激動の中を生き抜いた武将、日根野弘就の物語。武将としてのプライドと一家を養っていく義務感の間で揺れる心情や行動が興味深かった。負けても負けてもしぶとく生きていく姿は他の戦国武将の物語ではあまり見たことがない。秀吉に対して筋を通す物言いにはしびれた。2022/02/07
Yukihiro Nishino
3
美濃の国奉行の日根野弘就の生涯を描いた作品。信長に反発し各地で抵抗するが、義兄に諭され大嫌いだった信長の家臣となる。その後秀吉に仕えるが、そこでも秀吉に反発し浪人する。何度も浪人するがそのたびに誰かに拾われている。生き方が下手なのか、それとも案外器用だったのか、不思議な人物である。2015/07/24
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