内容説明
豊かな荘園の跡取り娘エリザベスが供も連れずに旅立ったのは、財産目当ての男に父を殺され、結婚を迫られたせいだった。名付け親である女王陛下のもとへ赴き、助けを求めるしかない。必死で森を進むうち、彼女は宮廷道化師タールトンと出会う。明るい瞳と美しい歌声に加え、鋭い頭脳も持つ彼は、自分の弟子になりすまして一緒に宮廷へ向かっては、と提案した。そうすれば道中も安全だし、追っ手の目もごまかせる――令嬢はすぐさま波打つ金髪を切り、見習い道化師に変身した。迫り来る危険も忘れる、輝きに満ちた大冒険の始まりだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
24
エリザベス女王お気に入りの道化師と邪悪な婚約者の手を逃れ名付け親の女王のもとに向かう女性との珍道中物語です。当時の道化の服装や食べ物、道中で会う人々の職業など、とても面白く読みました。また女王のちょっと人を食っているものの粋な計らい!とっても面白かったです。最後はちょっとタナボタ感があったけど、ちゃっかり良い領地を懐に入れる女王にさすが~とにやり。2022/02/13
Michelle
18
エリザベス一世時代のイングランド。婚約者から逃げ出したヒロインは、森の中で自分の婚約式で歌を唄っていた道化師に出くわす。女王の助けを求めて宮廷まで連れて行ってもらうことになるが、身分を隠すために道化師の見習い少年の格好をすることに。男装ヒロイン好きなので、この話はシチュエーションがめちゃくちゃ好み。こういう話の道化師は、身分を偽っていて実は伯爵でしたというパターンが多いけど、そういう訳でもなさそうで、結末が予測できずに楽しめた。ヒーローが他の女といちゃいちゃする様子が具体的すぎて、性病が心配。 2021/10/18
ちぇしゃ
11
これまたなんともツッコミどころだらけの身分違いのヒストリカルロマンスでした。読んでいる最中は、えー?!っとなりながらもいったいこの話がどういうオチに至るのかが興味深くて真剣に読んでましたが、読み終わったら終わったで静かなる困惑がwでもまあヒーローとヒロインの揺れ動く心の内の描き方はまあまあ素敵だったのでこれはこれでよしとしますw突飛な設定だし、最後の大団円は力業すぎて正直ビックリだけど、H&Hのどちらにも嘘がなく、一生懸命で素直で健気なヒロインと、メロメロなヒーローのジリジリした様子は楽しかったしね♪2015/05/02
まるかず
2
このお話は、藤田和子さんが漫画化されているのですが、その漫画の方と同じくらいに物足りない出来栄えでした。心理描写が少ないせいなのか、感情に深みを感じないし。それと、タールトンが道化師だから仕方ないのかもしれないけど、彼の軽口がどうにも気に入らない。私はやはり、屈強で頼もしいヒーローが好き♪(´∀`)2015/02/23
zawa
2
おとぎ話のような、素敵なお話。ヒロインはお姫様育ちだけど素直で頑張り屋さんでとってもかわいい。ヒーローは道化師らしく、とってもコミカルで、セリフの一つ一つにユーモアがあったり、切ない思いが込められていたり・・・。素敵なセリフがたくさんあった。2012/03/18