内容説明
戦争、薬害エイズ事件などで、官僚はなぜ国家や国民の利益に反する行動をしたのか、アメリカは何ゆえに日本への原爆投下を謝罪しないのか、どうして日本人はアジア人の中で英語がいちばん下手なのか……歴史的事件の背景にあるものを精神分析の手法で考察。(『官僚病の起源』を改題。)
目次
官僚病の起源―自閉的共同体の病
歴史を精神分析する
なぜアメリカは原爆投下を謝罪しないか
なぜシラクは核実験を止めようとしないか―フランス近代を精神分析する
近代日本は一貫して植民地である
英会話という病気
アジア・コンプレクスの起源
日本は百済の植民地だった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
16
タイトルのとおりの内容。精神分析という手法で日本という国を分析している。日本という国は精神分裂病的とのこと。傲慢な面と屈辱の面との2面にである。それは海に囲まれ外国から遠過ぎもせず近すぎもしない場所からくる日本の建国の事情に由来して生まれたという。「その場所」ゆえ外から干渉をうけたりうけなかったりする。傲慢と屈辱は状況によって一方が強くなったり弱くなったりを繰り返す。この繰り返しによって日本の歴史を説明する「岸田観」はなかなか面白い。2014/06/22
かなた
8
アメリカは凶悪なインディアンや残酷な海賊といった仮想敵を作らずには正常な精神状態を保てない。正義を語れない。歴史の浅いアメリカでは、ヨーロッパのように暗い負の歴史を無きものと忘れ去ることができない。パラノイア構造: 不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す。どこかに諸悪の根源がいて、それを倒すマーベルシリーズを代表とするヒーローものが流行るわけだ。2024/09/14
naotan
4
精神分析はおまけ。想像してたのと違ったけど、著者の歴史観はなかなか面白かった。2015/02/24
史縁
2
歴史とあるが、ほとんどは日本の歴史。日本の歴史を、内的自己と外的自己の相克の歴史ととらえ、現在の日本人の行動や気質につながっているとする。精神分析ゆえのユニークな視点と分析は目立つが、考古学的な資料や文献資料はなく、著者も「歴史の専門家ではないので」と断りを入れている箇所もあるので、あくまで歴史をみる一つの観点、エッセイとしてみるのがよい。2025/08/16
2n2n
1
タイトルに惹かれて購入したのだが、いかにも精神分析って感じの分析が思ったより少なく、歴史に関する普通のエッセイという感じのものが大部分であったので、ちょいと期待外れだったかも。2009/12/20
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