弱き者の生き方

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弱き者の生き方

  • 著者名:五木寛之/大塚初繁
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 毎日新聞出版(2013/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620318189

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内容説明

「私はこれまで、ずいぶん多くの人々と対話を重ねてきた。
しかし、今回の大塚先生との対話ほど、よく笑い、かつ深く感動した機会はなかったように思う。
それは圧倒的な体験だった」
―まえがきより 五木寛之

「対談中に私の目が曇り、五木さんの声の震える瞬間があった。
私は作家・五木寛之さんの言葉や文章表現や考え方に、
幼き日からの人間形成の道のりが確かによみとれると思った。」
―あとがきより 大塚初重

おのれの悪を凝視し、絶望的体験の地底から恐るべき記憶と無類のユーモアを武器に、
日本人再生の希望を掘り起こす、迫真のライブトーク。

文学と考古学という各フィールドにおいて名声高き重鎮の二人。
しかし、彼らがこれまでの命がけで歩いてきた道のりを知れば、
人を「勝ち組」「負け組」などという言葉で片付けてしまうことが、いかに無意味なとこかがわかる。

「平和な時代に改めて戦争の話を持ち出しても野暮だと言われることを承知の上で」、
二人は重い記憶を掘り起こし、現代の私たちに問う。

年間3万人もの自殺者がいて、子殺し、親殺しが跋扈する。
戦争でもないのになぜ人の命はこんなにも軽くなってしまったのか。
人は誰もが本質的に弱い存在である。
だから自分も他人も大切にしよう、
一日一日を大事に生きようと一人一人が自覚して生きていく、
この自覚こそが「弱き者の生き方」なのだ。

目次

第1章 弱き者、汝の名は人間なり(人は弱し、されど強し 虎屋の羊羹、銀座のネオンで殴られる ジェノサイド(集団殺戮)そのものの東京大空襲
生き地獄―戦友を蹴落として生き延びる
悪を抱えて生きること
語りえなかった引き揚げの真実)
第2章 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(極限状態で交錯する善と悪 二度目の撃沈と敗戦 涙の漫才修行―人生に無駄はない 日本の植民地支配の爪あと 語られない引揚者の悲劇―残留孤児と不法妊娠 右へ左へ揺さぶられ続けるのが人生)
第3章 心の貧しさと、ほんとうの豊かさ(肉親の死を身近に感じる大切さ お金という魔物 学内闘争でつるし上げられる わが青春の登呂遺跡発掘 人は泣きながら生まれ、時に優しさに出あう 経済的貧困と貧しさとの違い 金では買えない「誇り」を抱いて)
第4章 人身受け難し、いますでに受く(人生の峠道でたたずむ 人間性と謙虚さ―前田青邨先生の教え 斜陽館での一夜―師匠と弟子の『人生劇場』 赤線とドジョウすくい 想像力の欠如と「心の教育」 人間として生まれた奇跡と幸運 なぜ人を殺してはいけないのか)
第5章 人間は、ひとくきの葦である(「負け組」などいない 辛いことも直視する勇気をもちたい 時には黙ってただ寄り添うことも大事 潔癖すぎる現代社会 だれにでもある不安やコンプレックス 弱き者たちへ―人は皆、それぞれの生を生きる)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とく たま

7
戦争を生きなければならなかったお二人の体験は壮絶というには軽い気がする。しかし人をよく表していると思う。まさに弱いんだろうな!すべて足りてあるここに、どう生きるかが問われる。2025/05/12

中年親爺

2
再読。二人の重鎮の、戦中戦後の筆舌に尽くし難い苦難の数々は、前回も強烈な衝撃を受けたが、再読の今回も全く同じくらいの緊張感を抱かされた。「殺人」の意識、「罪」の意識を持つほどの試練。そしてそれをずっと引き摺りながら、むしろ生きることの義務感に代えて自らを叱咤する。何とも壮絶としか言いようがない。父は既に亡き者になってしまったが、この年代の人たちはそういう時代を生き抜いたということをもう一度改めて認識すべきなのだろうし、できることなら、そこから多くを学ばなければならないのだろう。2013/07/21

行き当たりバッチシ!

1
この手の本にしては 結構スラスラ読めた。五木さんの引き揚げ時の事は あまり御自身ではしゃべってないので 少し驚きました。2021/05/11

おらひらお

1
2007年初版。考古学者大塚初重さんと作家五木寛之さんの対談をまとめたもの。本棚にあったものをたまたま手に取ったのですが、一気読みでした。というか、他のことが手に付かなかったです。戦中戦後に本性むき出しの人間と接することによって、人としての深みというか優しさを身につけられたことが分かりました。2010/07/30

Masahiko Kobayashi

0
著名なお二方がご自身の凄まじい戦争体験を語られた貴重な作品。最近、戦争関連の小説が大評判を呼んでいるようだが、次は是非この作品をお読みいただきたい。2013/12/25

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