内容説明
「わたしを縛って……」心も体も強く縛られることを欲しながらも、二人の男とのアイマイな情事を淡々とくり返す美緒、三十二歳。その日常の果てに彼女の心が向かう先は……。第十八回太宰治賞受賞作。短篇の秀作「見ていてあげる」を併せて収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
22
どこにもいこうとしない彼女は、仕事以外は部屋に閉じこもり、妻のある男性2人との関係を続けている。たった一人の同性の友人さえも失った彼女は、ただ一つSEXの時に縛られることを望んだ。どんより曇った大阪の空のような重さ。ラストは、もうサイコというほかない!併録作も同様の雰囲気。僕はこの小説は嫌いじゃないけど、とても人には薦めれない。2010/10/30
まど
12
心も体も強く縛られることを欲しながらも、二人の男とのアイマイな情事を淡々とくり返す三十二歳の独身女性。不安定な女性の心理がリアルに書かれています。ひきこまれて一気に読みました。想像もしていなかったラストにびっくり。すごい怖くて泣きそうになった。2010/08/11
boo
5
とても人の暗い部分があっけらかんと書かれていて、心がぎゅってされるような恐怖でした。「私は誰も殺さない。誰も産まない。何物にも関わらない。」これって実はとっても怖い言葉だなぁ。 読友さん推薦本2010/09/17
神尾@図書館でバイト中
3
美緒の、自分の位置がふらふらと定まらずに揺れている感じがもどかしかった。二人の男の狭間でふらふら、父と母の間でゆらゆら。なにも生み出せない自分。なにとも関われない自分。そして浮き草のような自分によく似た、生まれてきてはいけなかったれいこ。二人の巡り会いで物語は壮絶なラストを迎える。「私は誰も殺さない。誰も生まない。何物にも関わらない。だが、せめて、母なるものに、見せしめを。」2013/10/22
まめの助
2
★★★☆☆仕事以外ほぼ家から出ない女のお話。煙草と水さえあればいいという彼女の求めるものは、時々やって来る不倫相手達くらい。それも適度な距離を保ちつつ。弱いようでとても強い。自由に見えるが、誰かに期待された役割を演じてしまうからとても生き辛そう。けど、自分を縛る見えない紐を切るのは自分にしかに出来ない。2025/02/23
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