族の系譜学 ユース・サブカルチャーズの戦後史

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族の系譜学 ユース・サブカルチャーズの戦後史

  • 著者名:難波功士
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787232731

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内容説明

太陽族からみゆき族、暴走族、アンノン族、クリスタル族などの「族」の系譜をたどり、オタク、渋谷系、コギャル、裏原系へという「族から系への転換」を見定めて、若者文化の変容を照らし出す戦後史。
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目次

はじめに

第1部 「ユース・サブカルチャーズ」へのアプローチ

第1章 研究の系譜
 1 「カルチャー」とは
 2 「サブカルチャー」とは
 3 「ユース・サブカルチャーズ」とは
 4 日本での研究の現状

第2章 諸状況としてのユース・サブカルチャーズ
 1 アーヴィン・ゴフマンの視点から
 2 ユース・サブカルチャーズへの五つの視角
 3 言説のなかの状況、状況のなかの言説

第2部 戦後ユース・サブカルチャーズ史

第3章 太陽族の季節
 1 十代とプロト太陽族
 2 メディエイテッド太陽族
 3 モラル・パニックとしての太陽族
 4 太陽族その後

第4章 みゆき族というストリート・カルチャー
 1 みゆき族の生成・消滅
 2 「平凡パンチ」とみゆき族
 3 フォーク・デヴィルとしてのみゆき族
 4 銀座のトポロジー

第5章 ‘Youthquake’とフーテン族
 1 大都市に集住する団塊
 2 一九六七年、フーテン族の夏
 3 フーテン族とは誰か
 4 拡散する若者文化情況

第6章 旅するアイデンティティ、アンノン族
 1 急成長する女性誌
 2 カニ族からアンノン族へ
 3 ディスカヴァーされる日本
 4 ジェンダー・トラブルか、従順な消費者か

第7章 暴走族──モビリティとローカリティ
 1 暴走族前史
 2 「暴走族」の構築
 3 階級、マスキュリニティ、ローカリティ
 4 メディアというギャラリー
 [補論] 「ヤンキー」スタイルの消費へ

第8章 クリスタル族──クラスとテイストのセクト
 1 二十五年後の太陽族
 2 消費するアイデンティティ
 3 世代としての「新人類」
 4 カタログ化する都市空間へ

第9章 おたく族からオタクへ
 1 おたく族とメディア、おたく族のメディア
 2 ユースフォビアとしてのおたく族
 3 おたくとジェンダー
 4 世代のなかのおたく、おたくのなかの世代

第10章 族の末裔としての渋カジ
 1 「渋谷の後背地=山の手」の拡張
 2 「東京二世=団塊Jr.」への期待
 3 煽るメディア、鎮めるメディア
 4 チーマーと‘-er’の浮上

第11章 渋谷系というテイスト・ジャンル
 1 渋谷系の誕生
 2 音楽ジャンルであり、ユース・サブカルチャーであること
 3 渋谷系とアキバ系
 4 渋谷の変容と渋谷からの離脱

第12章 コギャル、ジェンダー・(アン)トラブルド
 1 「コギャル」の生成過程
 2 コギャルに発情するメディア
 3 メディアと共振する女子高生
 4 (コ)ギャルとギャル男(ルビ:お)

第13章 裏原系という居場所
 1 「裏原(宿)」の生成過程
 2 上京者の居場所としての裏原
 3 ストリート系男性誌の族生
 4 ホモソーシャルな男性性と裏原系女子

第3部 結語

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

5
2007年刊行である本書から現代はまた大きく展開があったのだが、それはひとまず置いて、その網羅性や通史としての性格ではなく、学術書としての側面から見てみると、やはりいくつかの特異な立ち位置が見えてくるような気がする。まずジェンダーが重要な分析の一角を占めているため、ファッション史では絶対に出てこない「おたく族」たちのフォークデビル化が的確に位置付けられている。また族→系→キャラというYSCの変遷が、メディアに流布する当人たちや特定の場所に限定されない社会的な諸力の重視が、対象を突き放す記述と合致している。2022/03/19

古戸圭一朗

2
「○○族」「○○系」というカテゴリーで存在した戦後日本のユース・サブカルチャーの成立・展開・衰退を辿る。サブカルチャーは「対抗文化」(カウンターカルチャー)の意味合いで素朴に使われることが多いが、本書ではサブカルチャーが「一体何に対して対抗的なのか(だったのか)」に注目する。本書を通してみると、よく言われるサブ(カルチャー)とメインの区別がなくなったというフレーズを、もう一度よく考えねばならないと感じる。2021/01/30

🍕

1
現代日本の名もなき若者たちの文化史。アイデンティティーをめぐる闘争と逃走、挫折。2020/08/20

Sensyuraku

1
太陽族、みゆき族から始まって渋谷系、裏原系までの誕生と衰退までの概説。族と系の違いをアイデンティティの面で考えたり、「若者」という概念の時代による変化を追ったりと面白い。年代による東京の変遷の本でもあるね。単なるまとめ以上の本なのでオススメ。ただカタカナ語使いすぎ2018/04/11

きいち

1
太陽族、暴走族、おたく族→オタク→アキバ系、渋谷系など11の「若者文化」について、当事者がどんな行動を実践し、通常の人々がどうとらえたか、階級や世代など5つの視点から丁寧に追いかけた労作。その過程から、若者文化自体がアイデンティティの中心(○○族)から着脱自在の属性(○○系)へと移り変わる。知らない間に自分が当事者だった世代となり、通り過ぎていく。裏原とか妙にリアリティあるな、と思ったらこの人広告業界出身、マーケターとして対峙してたんだなあ。2011/10/22

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