ソクラテスの弁明/クリトン

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ソクラテスの弁明/クリトン

  • 著者名:プラトン/久保勉
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • 岩波書店(2012/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003360118

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

159
不敬神の罪で公訴されたソクラテスの弁明。配慮すべきは魂か肉体か、彼が突きつける妥協なき勧告は哲学を論じる素質の有無を問いかける。世俗的関心から本来の自己の分離、その魂の善を目指す先には絶対的な次元が存在するという認識は、現代人にとっては難しい素質となりそうだ。自己変容を意識し続けなければ哲学は成立しない。『クリトン』で表出するように、アテナイは生を吟味するのに必須の対話相手だった。愛知者にとってそれが出来ない人生は生きるに値しない。ソクラテスを殺したのが民主制という事実は、著者の国家論に大きく寄与した。2021/09/19

優希

118
死を目前にしても己を貫くソクラテスの表明が凄いと思わされます。自らの信念に妥協しない姿には覚悟の迫力を感じました。師としてのソクラテスの偉大さを完全に描いているプラトン。薄い本ですが、一本筋の通った哲学者の弁論を余すところなく語り尽くした充実の1冊です。2016/07/23

ヴェルナーの日記

118
プラトンの師ソクラテスに対する思いが、ひしひしと伝わる感動の書。 この頃のアテナイは、ペルシャ戦争に勝利すれど、ギリシャ内ポリスの覇権を賭けたスパルタとの戦争に負け衰退の時代にあった。直前には30人政治による専制政治を体験し、やっと彼らを追放して民主制をとり戻りしたと頃だった。その中で政治家も民衆も未熟な政治意識が、無実で高貴なソクラテスを死刑に追い込む。その時プラトンは逃げることも出来たが、国民に本当に民主政治とは何かを示すため敢えて死を選んだ。プラトンに筆致鮮やかにソクラテスの信念が伝わってくる。2013/02/24

ひろき@巨人の肩

93
紀元前399年アテナイの民衆裁判所。ペロポネソス戦争敗戦、三十人政権の恐怖政治など招いた張本人アルキビアデスやクリティアスを教育した師として告発されたソクラテスが、500人の市民陪審員を前に、対抗弁論を行う。その中で今のアテナイでは市民それぞれか徳を持って生活すること大事であると説く。「無知の知」を認める謙虚さ、自分の「正義」に反しない勇気、自分の家族に対しても蓄財より「徳」の優先を願う公平性が、2400年の時を超えて万人が共感する普遍の倫理観なのか。ソクラテスが語りかける対話篇という形式が良い。2023/11/24

cockroach's garten

90
プラトンのソクラテスは彼が解釈した独自のソクラテスであり、本物のソクラテスとは違う。と、何処かの本で読んだ記憶がある。そして、『ソクラテスの弁明』は唯一本物のソクラテスが感じ取れる作品である。謂れのない罪を問われたソクラテスが自分の信念を曲げずに正直に弁明していくさまは彼の正直さを物語る。それは『クリトン』でも克明に書かれており、ソクラテスは信念を以ってして行動するという宣誓の様に感じた。2017/06/03

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