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内容説明
長期にわたった景気の低迷に対して、小泉内閣が行った「構造改革」は有効な措置といえるのか。経済学者間の意見は対立し続け、経済学への信頼までも揺らいでいる。ケインズは一九三〇年代の世界不況を目の当たりにして主著『雇用・利子および貨幣の一般理論』を執筆した。本書はその欠陥も明らかにしつつ、ケインズが論証することに失敗した「不況のメカニズム」を提示し、現代の経済政策のあり方を問うものである。
目次
第1章 ケインズ経済学の基本構造(二つの不況観
需要不足のメカニズム ほか)
第2章 失業と需要不足(新古典派経済学の特徴
貯蓄と投資の不一致 ほか)
第3章 利子と貨幣(投資の決定要因
何が利子を決めるのか ほか)
第4章 景気循環と経済政策のあり方(賃金の変動と景気循環
不況下の経済政策)
第5章 不況理論の再構築(何がわかり、何が残されたか
新しい不況理論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
72
小野さんは民主党の菅さんのブレーンであった人だと思います。2007年に書かれていますがここに書かれている「失業と需要不足」については今の状況もあまり変わりはないと思われます。新書ながら内容はかなり高度ですが、非常にきっちりと理論を噛み砕いて書かれているのでわかりやすいと思われます。様々な経済評論家が結構勝手なことを言っていますが、このような本でもう1回勉強したら、といいたくなります。2015/09/02
Francis
18
10年ぐらい前に読んでいるが内容はほとんど忘れていてふと手にとってパラパラめくってみたらとても大事なことが書かれているように思われたので再読。ケインズの名著「一般理論」で「需要不足による不況」が論じられているが、ケインズ自身新古典派の枠組みに囚われていたために十分な論理展開が出来ていないことを指摘し、「流動性プレミアム」「消費の利子率」をキーワードに「需要不足による不況」が発生する理由について小野先生独自の理論を展開している。小野理論の方がクルーグマン、スティグリッツ両先生の理論よりも優れていると思う。2019/06/19
佐島楓
13
新古典派とケインズ理論を対比しながら、現在の日本経済の不況にアプローチしている。細かく読み解かないと難しい本だが、お金は回さなければ意味がないこと、無駄なばら撒き政策は長期的には意味がなく、却って国が弱体化してしまうなど、基本は理解できた。要再読。2011/12/03
masawo
11
稲葉振一郎氏曰く「貨幣的ケインジアン」の著者が一般理論の欠点を捕足しつつ「流動性選好」や「経済全体の効率」に着目して独自の不況理論を導出する。簡潔で無駄のない文章表現はいかにも理系的。ケインズ理論の専門知識がなくてもそこそこ読めるという点では評価できるが、失業者や貧困層対策についての記述に人間味が感じられない印象は否めない。平成不況や小泉構造改革はマクロ経済学者にとって絶好のサンプルのように見える。2021/08/27
nori
8
Basically I agree with author who insists transfer money from rich to poor. However, he did not explain ongoing QE and reflation policy, as he only compare with Neoclassical and Keynesian economics. Was it excuse of this book written before Lehman Shock?2015/09/24
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