内容説明
京の八坂下、夢見坂の骨董屋「遊壺堂」を営む柚木征次郎。御一新の世の中で移ろう世間の価値観に抗って、日本古来の文物を守ろうと西洋化の波と対峙する。骨董をただの“もの”として西洋に売りさばこうとする輩と文化の価値を信ずるものとの戦いは、自ずと過酷なものとなっていくのだが……。前作品集『骨董屋征次郎手控』につづく、骨董屋シリーズ第二弾にあたる傑作時代短編小説集。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
57
北森鴻さんの冬狐堂シリーズも好きだけど、これは幕末から明治にかけての骨董屋を舞台にしているので別の楽しさがある。お二方ともに若くして逝ってしまわれたのが残念だ。2020/06/07
naolog
8
初めて高円寺という土地に行きましたが東京という感じですね。何がある訳ではありませんがビル群だし車通りは多いし。さて2巻から読んでしまいましたが面白い。骨董のことは解らなくても、古い京都の雰囲気がいいですね。2016/08/30
ふみえ
8
もっと読みたい。北森鴻さんの陶狐堂シリーズをライトにした感じ。お二人とも他界されているので次はない。毎回美味しい食事がさりげなく挟まれ、骨董の蘊蓄も初心者には有難い。ぐい飲み集めようかな~。2016/05/23
昌子♪♪
2
久々の時代物。面白かったけど最後が何だかなぁ⁉という感じ😓このシリーズを読んだ方のレビューを見ると、火坂さんはもう亡くなられているとか?生きていらっしゃったら、シリーズ化されていたかも⁉征次郎と小染のもう会えないかと思うと、残念でなりません😢2022/11/13
大川 宏
2
短編連作として安定した面白さ。明治に入っての混乱が、話しに合っていて前作より良いと感じた。骨董に関しては前作ほど鍵になっていない。そこは連作の難しい処か。最後の「夢見坂」は終わり方にちょっと不満。次の連作を考えて、なのか。2017/01/21