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内容説明
アメリカの都市経済学者リチャード・フロリダによれば、世界経済は「クリエイティブ・クラス」と呼ばれる新しい価値観を共有する人材がリードする、クリエイティブ経済の段階に入ったという。
本書は、この産業革命以来の大変化に適応するために、それぞれの国、都市、企業そして人材に必要な変革の条件を明らかにする。
目次
クリエイティブ・クラスの大移動
第1部 クリエイティブ経済(クリエイティビティの重要性 開かれた社会の価値)
第2部 才能をめぐるグローバル競争(鎖国するアメリカ 新しい競争相手 繁栄する都市、停滞する都市)
第3部 クリエイティブ時代の課題(新たな格差社会 アメリカ政治の内部対立 クリエイティブ社会の構築)
補遺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sanchai
4
これは面白い。原書の発刊年を考えると米国の政策に関する記述はちょっと古くて要注意だが、それでも論点は今も有効、というか、今の方がもっと有効になってきているように思える。クリエイティブでない残りの7割の人も、環境さえうまく整ったらもっとクリエイティブになれるという主張は、新しいことを始めるのに超慎重でリスクを取りたがらないブータンの若者の心にも響くだろうか。2017/07/16
Ich_co
2
本書の"クリエイティブ・クラス"は、科学者・エンジニア・芸術家・文化関係者・経営者…など、かなり幅広い職種で定義されている。新しいアイディア、ビジネス、仕組み…"創造的"職業従事者が世界を動かす…という主旨。「技術・才能・寛容(技術と才能だけでなく)」の3Tをインデックスに「都市(国ではなく)」の単位で世界を計っている点が興味深い。そう、"多様性"という言葉は美しいけれど、"寛容性"というタフさの問題でもあるし、"場の魅力"は重要な問題。少し古い資料だけど、面白かったのでメモ。2013/01/14
msykst
2
再読っす。最初に人材の流動化に伴う格差拡大の危険性を指摘してるんだけど,これは最後までうやむやにされた感じが禁じ得ない。鈴木謙介は,フロリダがクリエイティブクラスの概念にある種の機会の平等の可能性を託しているにもかかわらず「クラス(階級)」という言葉を使っている奇妙さを指摘した上で,フロリダの本音は新しい階級概念の導入なんだと言っています(「サブカル・ニッポンの新自由主義」)。素朴に思うのは,「クリエイティブクラスでオッケー,っつっても過渡期に貧困層生まれまくる件」ってことか。
Kenji Ogawa
1
9:11以降、米国はダイバーシティが遅れ、豪州・カナダ等が地位を高めたという時代があったのか。2016/12/08
nutts
1
これから書く論文の構想書のような、とりあえずクリエイティブに関するテーマを興味ある方向に広げてみます、といった内容。方向感としては共感できるけど、著者の言う「クリエイティブな人(専門的な深い思考、複雑なコミュニケーションを操る)」って、各分野で活躍している人は既にそうだろうし。「クリエイティブ産業」って測り方は、中長期に計測するに足る定義とするには恣意性が強すぎるきらいがあるのでは。クリエイティビティをどう測るのか、そうした人材をどう評価し集めるのかは確かに先進国最大のテーマだろうから、丁寧な研究に期待。2015/01/25