内容説明
赤城下ろしが吹きすさぶ、寒い2月。父親の危篤の報を受けた斎木亮は、前橋駅に降り立った。そこで初恋の女性の妹・川村千里と偶然に出会う。彼女の口から初めて聞かされる、姉・麗子の死。睡眠薬を飲んで浴室で事故死、という警察の見解に納得のいかない、亮と千里は独自に調査を開始する。最近まで麗子と付き合いのあった中学時代の同級生を、訪ねるが――。調査の過程で再会する、中学時代とは変わってしまった同級生の姿に困惑しながらも、亮は真相に辿り着く。著者の地元、前橋を舞台に、一途な若者たちを描いた青春ミステリの傑作。約20年ぶりの大幅改稿で贈る決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
95
爽やかな青春ミステリーである。 かつての同級生だった川村麗子の死の謎を 妹千里とともに 追うミステリーだが、 爽やか過ぎて 緊迫感よりも 青春の苦さが 全面に漂う。 男女の語らいが昭和らしく 微笑ましい… そんな印象の作品だった。2024/08/27
セウテス
74
作者デビュー第2弾。父の葬式の為に、群馬に帰郷した大学生の主人公、彼の語りで進む作者特有の青春ハードボイルド。中学時代初恋相手だった同級生が、謎の死を遂げている事を彼女の妹から知り、二人して事件を調べ始める。父の死や事件を通して、真実を明らかにする為に自らの過去に向き合う、作者の原点のスタイルだろう。そこには21歳の主人公の本音や葛藤、そんな事に悩んだり疑問に思ったりした時期が確かに有ったなと、懐かしい気持ちにさせてくれる。少し集団からズレている様な主人公の語りと、ウィットに富んだ会話は、やはり爽やかだ。2018/05/30
kei302
66
創元推理文庫(2007年)版の「あとがき」を興味深く読んだ。1990年に文春から出版、1993年に文庫化された際、トラブルがあって、一切の加筆修正ができず、不本意なまま年月が過ぎ、「思う存分に手直しをした」本書が、実質的な初の文庫化とご理解ください。直木賞候補作。福井健太さん曰く:詩情を湛えたハードボイルドと青春小説の名手・樋口有介。文庫解説は法月綸太郎、KindleUnlimitedは付いていない…。気をつけて!文春版半額セールは旧版です。創元版は11月のキンアミ。2021/12/11
はつばあば
58
途中まで読んで、「おお、前に読んだよなぁ。柚木草平さんの若い頃の話だったかなぁ」と。初恋は甘酸っぱい思い出に包まれてミステリーに発展していく。私の周りに麗子のようなそつの無い友人がいなくてほっ。どこかに1つくらいアカンところが無けりゃしんどいわ。亮のような若者にホレなきゃ(#^^#)。2019/06/17
涼
26
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-c91a17.html2019/08/11
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