風少女

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風少女

  • 著者名:樋口有介【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488459055

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内容説明

赤城下ろしが吹きすさぶ、寒い2月。父親の危篤の報を受けた斎木亮は、前橋駅に降り立った。そこで初恋の女性の妹・川村千里と偶然に出会う。彼女の口から初めて聞かされる、姉・麗子の死。睡眠薬を飲んで浴室で事故死、という警察の見解に納得のいかない、亮と千里は独自に調査を開始する。最近まで麗子と付き合いのあった中学時代の同級生を、訪ねるが――。調査の過程で再会する、中学時代とは変わってしまった同級生の姿に困惑しながらも、亮は真相に辿り着く。著者の地元、前橋を舞台に、一途な若者たちを描いた青春ミステリの傑作。約20年ぶりの大幅改稿で贈る決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

72
作者デビュー第2弾。父の葬式の為に、群馬に帰郷した大学生の主人公、彼の語りで進む作者特有の青春ハードボイルド。中学時代初恋相手だった同級生が、謎の死を遂げている事を彼女の妹から知り、二人して事件を調べ始める。父の死や事件を通して、真実を明らかにする為に自らの過去に向き合う、作者の原点のスタイルだろう。そこには21歳の主人公の本音や葛藤、そんな事に悩んだり疑問に思ったりした時期が確かに有ったなと、懐かしい気持ちにさせてくれる。少し集団からズレている様な主人公の語りと、ウィットに富んだ会話は、やはり爽やかだ。2018/05/30

kei302

66
創元推理文庫(2007年)版の「あとがき」を興味深く読んだ。1990年に文春から出版、1993年に文庫化された際、トラブルがあって、一切の加筆修正ができず、不本意なまま年月が過ぎ、「思う存分に手直しをした」本書が、実質的な初の文庫化とご理解ください。直木賞候補作。福井健太さん曰く:詩情を湛えたハードボイルドと青春小説の名手・樋口有介。文庫解説は法月綸太郎、KindleUnlimitedは付いていない…。気をつけて!文春版半額セールは旧版です。創元版は11月のキンアミ。2021/12/11

はつばあば

57
途中まで読んで、「おお、前に読んだよなぁ。柚木草平さんの若い頃の話だったかなぁ」と。初恋は甘酸っぱい思い出に包まれてミステリーに発展していく。私の周りに麗子のようなそつの無い友人がいなくてほっ。どこかに1つくらいアカンところが無けりゃしんどいわ。亮のような若者にホレなきゃ(#^^#)。2019/06/17

25
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-c91a17.html2019/08/11

信兵衛

25
その後の樋口有介作品の原点と言える作品という点で評価が高いようですが、私に関しては未だ樋口作品に思い入れは然程ありませんし、主人公たちがやたら煙草を吸うだけで距離感を覚えてしまうので(20年以上前ですから)、「青春ミステリの決定版」とまでは感じられず。2017/09/29

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