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内容説明
佐々木小次郎との戦い、二刀流の遣い手、六十数回の試合に無敗……など、人それぞれに頭に浮かべるイメージは異なるだろうが、戦国末期から江戸初期にかけて生きた、不世出の天才剣豪・宮本武蔵の名を知らない日本人は、まずいないだろう。しかし、武蔵が最晩年に書き記したといわれる「五輪書」を読み、その武芸観、哲学まで一応は知っているという人がどれほどいるかというと、その数は、ぐっと減るのではないだろうか。本書は、400字詰め原稿用紙にしてわずか八十数枚、武蔵が真剣勝負のなかから築いた武芸の奥義をまとめた「五輪書」を、現代人に理解しやすいように、原文とともに評釈を加えたものである。「五輪書」は言うまでもなく兵法書だが、敵という言葉に象徴された人間関係、絶えず死と隣り合わせだった武蔵の覚悟は、驚くほどビジネスの世界に通じる「勝ち方の極意」に満ちた書と言って差し支えない。心の武装書として、一読を薦めたい。
目次
『五輪書』序
地之巻
水之巻
火之巻
風之巻
空之巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
25
宮本武蔵の『五輪書』という書物。そこには真剣勝負において、いかに勝つかということが書かれている。物事を極めるということは、精神的なものではなく、あくまで実践的なものということなのか。刀の軌道、構え、握り方、などについてその理屈が述べられており、あまりのハウツー本的なその内容に戸惑う。だが"勝ちにいく"ということを徹底的に追求してみると、それは合理的な精神ということか。様々な武器の長所と短所を知って使い分けろ、そして万がいち戦いで刀が役にたたなくなったら素手で戦え、など徹底したリアリストたる宮本武蔵がいる。2016/07/24
とし
5
宮本武蔵が遺した兵法書。前から読んでみたかった。原文はかなり難解だけど、著者の意訳と解説がなかなか良くて、読みやすし。2015/06/03
アグレッシブ
0
自分が知りたかった点は武蔵がなぜ強かったかだ。二刀流である理由は、武蔵の考え方がわかって納得がいった。刀が2本のほうが効率的で、しかも長さが同じではないものを臨機応変に使い分けていた。当然パワーも必要であるが、鍛える努力もストイックにやっていただろう。相手の威圧感も想像に難くない。己に厳しいリアリストだったと思う。2014/04/02
midori
0
五輪書は【地之巻】【水之巻】【火之巻】【風之巻】【空之巻】の5つから成り立っており、それらはすべて勝ち、そして生き残るための兵法である。そしてその原文からエッセンスを抽出し、著者である長尾剛さんの解説を加えたのが本書である。2012/04/26