内容説明
「菜根譚」は、人生の書である。著者は明の人、洪自誠。人たるの道を説く儒教、のんびり自足する思想を説く道教、悩める心の救済となる禅。この三つの教えが渾然一体となった、不思議な魅力をたたえた古典である。そしてなぜか、「菜根譚」は中国よりも日本で人気が高い。まさに、日本人が心に刻むべき「処世の道」がここにあると言える。「人に道を譲ることこそ、もっとも安全な世渡りの極意」「至るところに人生の楽しみはある。邸宅でもあばら屋でもその点は変わらない」「華美は淡白に及ばない」「風流は世俗のなかにある」……。そんな菜根譚の邦訳の代表作『新釈 菜根譚』が世に出たのは1982年のこと。守屋洋による心に響く口語訳が施された本書は、単行本・文庫あわせて30万部のロングセラーとなった。そして四半世紀を経て、語釈が加わり各条に解説がついた「決定版」が完成した。守屋洋のライフワークは、ここに結実した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
esop
70
菜根譚ー儒教と仏教と道教の三つの教えを融合しそのうえにたって処世の道を説いている/持てる才能は容易に外から伺い知ることのできないように奥深く秘めておく/たえず不愉快な忠告を耳にし思いどおりにならない出来事をかかえてこてこそ自分を向上させることができる/善行は人に遅れをとるな/人に施した恩恵は忘れてしまったほうがいい。だが人にかけた迷惑は忘れてはならない/常に喜びの気持ちを持って暮らすこと、これが幸福を呼び込む道である/威厳を示すときは初め厳しくして、後になるほどゆるめていくのがよい2024/11/09
33 kouch
51
儒教、道教、仏教を噛み砕き、庶民目線から道徳を語る、そんな本。上から目線の「教え」ではなくて、「自分もついやっちゃうんだけどさ、気をつけたいよね」っていうフランクな語りかけが魅力。何事も行き過ぎず中庸であることを勧める。慈愛の精神も大切。周りの人に生かされていると思えば自然に感謝の生き方になり、行き過ぎることもなく中庸になれるだろう。普遍的な言葉が羅列され、エッジが効いてないので人によっては退屈に聞こえる。しかしだからこそ真理ではないかとも思う。何度も読み返したくなる本。2024/08/31
とも
40
何事もやりすぎず、ちょうど良いところでやめておく。 質素な食事でも喜びを感じられるような、生き方をしていきたい。2021/01/02
Kentaro
35
書物を読んでも、聖賢の心に触れなければ、文字の奴隷にすぎない。官吏となっても、民衆をいつくしまなければ、禄盗人にすぎない。学問を教えても、みずから実行しなければ、口先だけの学問にすぎない。事業を興しても、人々のためになることを考えなければ、つかの間の徒花に終わってしまう。 小さな過失はとがめない、隠しごとはあばかない、古傷は忘れてやる。他人に対してこの三つのことを心がければ、自分の人格を高めるばかりでなく、人の恨みを買うこともない。 細事の処理にも、手を抜かない。人目のないところでも、悪事に手を染めない。2019/05/02
カブトムシ
32
各出版社が出しています。私は数種所有しています。岩波文庫とこの守屋洋さんの日本語訳などです。守屋さんの中国古典の訳を初めて読んだのはこの「菜根譚」でした。儒教、仏教、道教のバランスのよい生き方を求めた名著です。分かり易く訳されています。「菜根譚」は、中国の古典のなかでは比較的新しい本です。17世紀の初め頃、明の万暦年間の末期、日本では、豊臣から徳川に政権が移ろうとしていたころ成りました。著者は、洪応明(こうおうめい)、字を自誠(じせい)。「逆境や貧困は、人間をたくましく鍛えあげる溶鉱炉のようなものだ。…」
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