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内容説明
話題を呼んだ前作『動物化するポストモダン』より5年半の待望の続編。明治以降の「自然主義的リアリズム」、大塚英志の「まんが・アニメ的リアリズム」に対して「ゲーム的リアリズム」とは何か? まさに文芸批評の枠を超えた快著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
66
凡百の評論家なら細かく切りそうなところを、前近代、近代、現代にぶった切ってくれるので一度は分かったような気になったんですが、「環境」って本来はどこにいるか分からない読者の意識のことだよな、と思いかえすと難しくなります。自分としても、小説などの作品が商品で、同時代の市場を相手にしていることは自明だ、と考えていましたが、ここで言う「環境」がマーケティングできる範囲の消費者の意識だとすると、その考え方は偏狭ではないかと。つまり本書が書かれた13年後である現在、作品はまだあるけど「環境」はもうないので。2020/08/13
mitei
52
ただのラノベって言ったら語弊があるがそこまで深く洞察できるものなんだなと思った。個々のゲームはやってないのでネタバレ回避のため読み飛ばしたがあのシナリオにそんな意味が込められていたのかと気付かされてばかりだった。2012/02/14
SOHSA
38
《購入本》サブカル、特にラノベ等を中心的素材にした社会論、文学論。副題から前著『動物化するポストモダン』の続編であることがわかる。しかし、前著からの時間の経過に伴って、著者の言説も新たな展開を示す。特に物語そのものを自然主義的に読み解くのではなく、構造的・環境的に読み解くことによって作者の意図とは異なった、あるいは意図せずにしかも必然的に生じた射影が自然と浮かびあがってくるというのは大変興味深い。ともあれ、ラノベ等の造詣が圧倒的に不足している私自身としてはとにもかくにも(→)2016/07/08
minochan
25
『ひぐらし』や『All you』を経た自分にとって「ゲーム的リアリズム」は直感的に理解できた。その前提である「まんが・アニメ的リアリズム」も。今も二つのリアリズムは溶け合い、範囲を拡大していると思う。たとえば流行のなろう系で、事故に遭って異世界転生するのが常識のように描かれるのは、まんがアニメ的リアリズムがキャラだけでなく舞台設定にまで広がった例だと思う。異世界でもギルドやランクなど、ゲーム的な設定が多い。僕はそういう浅い?モチーフの再生産が嫌いだったが、それが新しいリアリズムだと言われたら黙るしかない。2024/06/20
nbhd
23
<ゲーム中間まとめ②>この本で分析対象となっているメタ美少女ゲーム「ever17」をクリアして再読。総プレイ時間24時間余り、この3月の1日をマルマル費やしても後悔のないゲームだった。キャラと背景のデータベース的組み合わせのグラフィックと大量のテキストを読む体験に圧倒された。で、これはちょっと、文学を読むのとは違う感覚。これを機に、いくつかまとめておこうと思う→①ポストモダンのメタ物語について②それと対応したりする自分の読書記録について③ネットで読めるゲーム研究文献のまとめ。たぶんコメント欄が長々と続く。2017/03/15
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