内容説明
戦国末期。天下を手中にしようとしていた徳川家康は、大坂城に配下の者を忍び込ませた。一方、真田大助は、父・幸村より、落城の際には秀頼を連れ出し落ち延びよ、という密命を受ける。目指すは薩摩、島津家の元。燃えさかる大坂城を脱出した一行は西へ――。誰が味方で誰が敵なのか? 行く手には、想像を絶する謀略が待ち受けていた! 迫真の傑作時代ミステリー!(『落ちた花は西へ奔れ』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろ
7
☆6 歴史ミステリ。といってもいわゆる歴史ミステリというよりは、歴史ものを舞台にしたサスペンスミステリというイメージ。あいつが裏切ったりそいつが寝返ったり、が面白かったけど、一番は家康の本当の狙いが良かった。2016/06/26
茶幸才斎
4
人生最後の戦を前に、徳川家康の脳裡で大胆かつ遠大な謀略が形を成す。家康は股肱の本田正純と謀り、豊臣秀頼の身辺に間者として平山長十郎を送り込み、また豊臣家を離反した片桐且元に密命を課す。一方、大坂方の真田幸村と大野治長のもとを、謎の使者が訪れ告げる。薩摩島津家は、秀頼公を受け入れる用意がある。慶長二十年、夏の陣の大坂落城のさなか、豊臣秀頼は、幸村の嫡男真田大介、侍女の茜、そして平山長十郎らとともに城を脱し、一路薩摩を目指す。偉い人が野心や自尊のために半ばゲーム感覚で行う謀略で、人がたくさん死ぬのは堪らない。2023/02/12
yoi
4
サルと言われた太閤秀吉の子ながら、見上げるほどの体躯を持った豊臣秀頼。その将としての大器の目覚めを、最も恐れたのは家康だった。執拗に迫り来る家康の追っ手を秀頼や、それに付き従う真田大輔らはかいくぐり、生き延びることができるのか?手に汗握る500ページが続く。2008/06/01
ゾロりん
3
読みごたえがあって面白かった。今こそ書こう、岡田秀文にハズレなし。2015/04/23
暁人
3
大阪夏の陣で、秀頼は密かに城を抜け出し、薩摩を目指す、という物語。▼てっきり、迫り来る徳川の追っ手を倒しながら西へと向かう秀頼一行、という『ジョジョの奇妙な冒険 第三部』的なものを想像していたが、実際は権謀術数渦巻くミステリーっぽい内容だった。期待とは違ったが、これはこれで面白かった。▼ ストーリーはよく練られていたため、長い話ではあるがだれずにイッキ読み。2014/01/20
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