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内容説明
明治維新は尊王攘夷と佐幕開国の対立が一転して尊王開国になり、大政奉還の後に王政復古と討幕がやってくるという、激しく揺れ動いた革命だった。そのために維新が成就した後、大久保利通の殖産興業による富国、西郷隆盛の強兵を用いた外征、木戸孝允の憲法政治への移行、板垣退助の民撰議院の設立の四つの目標がせめぎあい、極度に不安定な国家運営を迫られることになった。様々な史料を新しい視点で読みとき、「武士の革命」の意外な実像を描き出す。
目次
第1章 明治維新の基本構想
第2章 幕府か薩長か
第3章 大蔵官僚の誕生
第4章 三つの「官軍」と「征韓論」
第5章 木戸孝允と板垣退助の対立
第6章 大久保利通の「富国」路線
第7章 「維新の三傑」の死
第8章 立憲派の後退
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あんころもち
10
「富国強兵」という単一のスローガンで語られる時代を、議会派・立憲派・強兵派・富国派の対立で描き直す。「富国」「強兵」ともに財政支出を要する中でどう折り合いをつけるか。地租改正一揆、西南戦争といった波瀾にどう対応するか。官僚制度が出来上がる前の「英雄」たちの時代。2015/04/19
新父帰る
6
2007年3月刊。幕末・明治史の期間元治元年(1864)から明治13年(1880)までを扱う。1864年に勝と西郷の初めての会談があった。歴史教科書は明治元年だが、最初の会談は1864年と指摘。この書では、維新後の政策に焦点を当てて、四人の藩士の政策目標を挙げている。西郷が「強兵」、大久保は「富国」、木戸が「立憲制」、板垣が「議会制」を進めていいたが、彼らの政策は全て未完の革命で終わったと。彼ら四人を「革命派武士」として、政策を実現したのは「文武の官僚」とする。1894年の日清戦争前には完成を見たと。2025/04/11
おらひらお
2
2007年初版。維新後の政策のぶつかり合いとその昇華へ到る経過を記します。地租改正(3%→2.5%)も大きな画期ですね。著者の記述もまじめで、信頼のおけるものでありながら、面白い。坂野本2冊目。2011/12/02
夢仙人
1
そこそこ。2021/02/05
鮭
1
四者四様の政策の攻めぎあい。単なる内部抗争とは言い切れない争いは、当時の国家建設への並々ならぬ決意を各派から見て取れる。最後の陸奥宗光の演説は楽観的かつ完全とは言い切れないまでも「未完後」の結果が垣間見えて感慨深い。個人的には井上馨の手紙が毎度ながら突飛なことに苦笑いせずにはいられなかった。2010/10/26
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