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内容説明
「靖国問題」の着地点は一向に見えてこない。「靖国派」も「反靖国派」もイデオロギーと感情論に染め抜かれた主張をくり返すばかりだ。この問題の真因とは何か。本書は、靖国をめぐる根深い対立・矛盾を生んだ戦後改革の隠蔽された真実を丹念に読み解くことで、問題の核心をリアルに考え抜く手がかりを与える。
目次
第1章 平成版「統帥権干犯問題」?
第2章 歴史のなかの靖国問題
第3章 この問題の割り切れなさ
第4章 天皇の宗教としての国家神道
第5章 神道指令と宗教法人令の真相
第6章 矛盾の顕在化としての靖国問題
第7章 もう一度、あの戦争を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
18
靖国神社に関連する本は百家争鳴あらゆる立場からピンキリで出ているが、新書サイズの本ならば基本的にはこの本さえ読んどけば大丈夫、と言えるほど理と情双方に配慮したクリアで明晰な靖国問題史の啓蒙書。そもそも、戦後一貫して、靖国神社とは矛盾に満ちた存在だった。政教分離の徹底による「公共追悼施設」と、独自色を持った「民間宗教法人」、戦後の靖国は後者として生き残り、そのメリットを時に享受しながら、しかし内心他の宗教とは並べられない、特権的宗教施設でありたいという欲望もまたその底に強く残存している2014/01/01
ぐうぐう
13
2007年に刊行された本書だが、今読んでもまったくもって有効だ。それは、靖国にまつわる問題が、なんの進展もなく停滞していることを示している。保守も左派も、その固定された認識から脱却できず、同じ場所をグルグルと回っているかのような不毛な論争が時間だけを無駄に経過させている。著者はまず靖国問題が、中韓が文句をつけたことに端を発する外交問題とする一般的な認識を否定するところから始める。靖国問題とは、同神社における戦後改革が駆け引きと妥協の産物であった点からすでに発生していたことを明らかにするのだ。(つづく)2014/07/31
Madoka.@書店員復帰を目指し中!
7
タイトルの通り、頭を冷やすために読んで見さみた。靖国神社というのは日本国内だけの問題ではなく、なぜか韓国や中国までも絡んでくる。そして、靖国問題で頭が熱くなり感情的になる。そこで見つけたのがこの本である。いろいろな側面から靖国問題について書いてあり、冷静になって読める。2013/01/21
SK
1
282*靖国肯定派も、否定派も、どっちもどっちという書きぶりだが、しかし著者独自の優れた解決策が明かされる訳でもない。2016/10/30
URI(病気養生
1
宗教とはなにか、国家神道とはなにか、他国の戦没者慰霊施設との違いは何か。 多角的に考えさせられる。2014/02/02
-
- 和書
- 変革の時代を切り取る発想