内容説明
片山恭一の原点となる、幻のデビュー作!
大ベストセラー「世界の中心で、愛をさけぶ」で社会現象を起こした片山恭一の幻のデビュー作が、ついに電子化! ぼく、恋人のカヲル、友人のジーコが交錯する、愛と死の物語。かつて誰にでもあった、少年少女最後の時代を過ごす3人の奇妙な恋愛模様を軸に綴られる、読むたびに胸の熱くなる70年代青春ストーリー。片山ワールドの原点が、ここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしみん
18
静かだ。そして、哀しい。愛は不確かなものだし、形にしようともがくほど歪になる。では何を信じたらいいのだろう。不確かな愛に全力を捧ぐ僕と、心を病んで行くカヲルと、真理を追求していく変わり者のジーコの物語。高校生という時を越え、大人になり、だからこそ感じるものがある。私は僕でありカヲルでありジーコであり、誰とも違うのだ。それでも胸が痛いのは私の中の欠片が響くからだろう。2013/09/30
kana
3
高校時代に読んでいてセカチューより好きだと思った記憶はあるけど思ってた話と大分違った(~_~;)ノルウェイの森的空気感でちょっと苦手な話かも(ó﹏ò。)時代背景ってやっぱ重要な要素だ。入り込み方に差があるもの。2015/11/14
_apojun_
2
普通キャラの主人公とその彼女、そして理屈っぽい変人キャラの友人の3人の物語。 こういう感じの小説に憧れてたというか、書きたかったんだろうなという思いは伝わってきたけど、私にはそれ以上のものは感じられなかったな。 ピンとこなかった、というのが率直な感想。2023/10/16
む🌾
2
初めはのめりこめず、なんかめっちゃ難しい知らない本のこととか話が出てくるぞって感じだった。 読んでいくとどんどんのめり込んだ。 私はジーコが好きだ。2018/11/11
Koji Hozumi
1
高校時代に知り合った高校生の男女。将来は一緒に暮らすことを夢見る二人。そこに、独特の世界観を持った同級生の男子を交えた、二人と一人の10代最後の時期の話。 設定が70年代後半であり、世の中が動き、その価値観も変化していく中で、小さな町に暮らす彼らの言動は、社会にとっては些細なものであるといったギャップが、話の進め方や言葉の使い方でひしひしと感じられる。三人が、目の前に、どうしようもない出来事に必死で抗えば抗うほど、読み手の心は痛み、その先に迎えている結末を、静かに思いながら読み進めることになる。2021/10/23