内容説明
天文十七年夏。宵祭を楽しむ十五歳の信長の眼前に、見慣れぬ船が現われた。数百の提灯に彩られた船上から、甘い唄声と異形の舞が信長を密やかな剣戟に誘う(表題作)。松永久秀と斎藤道三をペルシア渡来の暗殺秘術の兄弟弟子として描き、戦国史を異形の活躍で彩った刮目の長篇『黎明に叛くもの』の外伝四篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
33
「黎明に叛く者」の番外編。表題作はゼミで調べている津島神社についてだったので、すわ「シンクロ二ティ!?」と思いました(笑)「神器導く」は秀吉についた小早川隆景と毛利家の関係性やその後が松永久秀の所有物によって道筋を変えていく描写は鳥肌が立つほどです。「安徳天皇漂海記」でも言及されていたマルコ・ポーロの興味のあるものには魅入られそうになる危うさと己を保ち続けるハーンの対比にも通じる、全ての始まりでもあるイスラームで忌避される暗殺者教国の滅亡を描いた「波山の街」が特に素晴らしかったです。2013/05/26
KAZOO
19
4つの短篇が収められています。それぞれ自作の長編からのスピンアウト作品で、斎藤道三や松永久秀の若いころを描いたものや、フビライ・カーンとマルコ・ポーロが活躍するものなど結構楽しめました。荒山徹さんもそうですが、よくまあこのような物語を考え付きますね。2014/06/26
石破茂辞めるなと思う24歳レースクイーン・寺
19
読んだと言っても4篇あるうちの『隠岐黒』と『神器導く』のみ読む。『神器導く』は小早川隆景をメインにした短篇。この1篇読みたさに手にした様なものである。『黎明に叛くもの』自体を読んでないのだが、少し興味を持った。2014/01/24
朱音
12
「黎明に叛くもの」番外編。「隠岐黒」暗殺者兄弟の幼き頃、久七郎と「果心」の出会い表題作は若き久秀と信長の出会い。信長の派手好きの源流がここだったとは(笑)なんともうまいなぁ。「神器導く」天の沼矛と吉備津の釜を絡めて秀吉・小早川隆景の交流がいい。史実をうまく組み合わせてあるなぁ。「波山の街」マルコ・ポーロを語り手に幻想的ともいえる美しさ。黄金と白磁の旋風のように殺戮を続ける少女人形、と言えばなにやら「萌え」ではないかと(笑)ジパーノじいさんかっこいいっすよ(笑)2011/01/07
シン
10
異形日本史宇月原ワールドに初めて出会いました。今まで読んだ歴史小説と異なり、幻想的な感じがよかったです。この作品は「黎明に叛くもの」の外伝とのことなので近いうちに本編も読みたいと思います。2014/03/03
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