内容説明
反政府的な作品のために迫害されて、日本から姿を消した人気作家・三宅。彼が遠い北の異国で客死したという知らせを受けた愛娘の志穂は、遺骨を受け取るため旅立つ。一方、三宅を恐れる政府の要人・中田はその死を疑い、刺客と共に北へ向かう。最果ての地で志穂と中田を待ち受ける思いがけぬ真実。愛と憎しみのもつれが招く新たな悲劇。近未来を舞台に描く、異色のサスペンス・ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
21
政府に命じられた愛国主義的な作品を書かなかったので、迫害されて異国へ逃亡した作家三宅が死亡したという知らせが、日本に届きます。実際は三宅が死んだわけではなく、彼はその土地の若者を助けようとしただけでした。物語の中で描かれる二つの愛が心に残ります。一つはうわべだけ国家への愛で、もう一つは相手のことを思う真の愛です。権力者に逆らうと容赦なく弾圧されるこの物語の日本の姿は、今の日本を予見していたのではと思います。サスペンスたっぷりで面白く読めますが、超保守化する日本を批判する作者の気骨が嬉しい作品でした。2020/07/13
リプリー
5
本書のなかにこんな文章がある「一歩譲れば、百歩譲るのも楽になる」「時は、日本の軍隊が再び海外へ派遣されようとする時代を迎えていた」本書は角川文庫より再刊されている。その再刊版の裏にある粗筋には、本書にあった''近未来''という単語が抜けている。意図があってのこととは思えない。そして、今のところ日本に自由はあると言える。しかし、我々は既に''一歩譲ってしまったのではないか''と感じるのだ。本書に描かれる''近''未来に近づけないためには、何が出来るだろうか?それは、怒りを表現することではないだろうか?2015/08/17
kaizen@名古屋de朝活読書会
4
志穂とその娘真由。 志穂の父親は海外に逃亡している。 なぜ国を追われたのか, なぜ報道が規制されているのか, なぜ子供を育てる施設が認められないのか, わからないことが多い。 作家三宅邦人と,その娘,さらに孫。 もともとは漁師の死亡が間違って三宅の死亡と報道される。 その後、いろいろな人が犠牲になっていく。 人生の機微と,人と人との愛を描いているが, 根底を流れている思いが、薄いような気がするのはなぜだろう。 ヨーロッパをさすらっているうちに薄くなってしまったのかもしれない。2011/08/16
DBII け
3
「さすらい」や「図書館戦争」などのパラレルワールドを舞台にした作品、好きです。愛・憎しみ・友情・家族・儚さを描いた深い一冊でした2013/05/20
まもるっち
2
反政府的な作品のために迫害されて日本から姿を消した人気作家三宅。彼が遠い北の異国で客死したという知らせを受けた愛娘の志穂は、遺骨を受け取るため旅立つ。愛と憎しみのもつれが招く新たな悲劇。近未来を舞台に描く、移植のサスペンス・ロマン。2012/07/22
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