角川文庫<br> パンク侍、斬られて候

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角川文庫
パンク侍、斬られて候

  • 著者名:町田康
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043777037

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内容説明

江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰かけていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずばりと斬り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき厄災をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった……。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

247
「いってんじゃねぇよ。ぶっ殺す」と言って草をちぎって立ち上がった。江戸時代の文化、風習のまま現代迄進んだ様な世界観。だから外来語を用いたり、芥川龍之介、夏目漱石なんかの作品に、共通認識として触れていても良いのです。かね。虚虚実実の戦いと言うか、生き残りを賭けた腹の探り合い。口八丁手八丁、なんでも御座れで御座る。馬鹿にされない為に人を小馬鹿にしたり虚勢を張ったりね。上下とか相手との立場関係に執着がありますね。もう虚虚実実の世界。何が何だか分かんないよ。拙者には、町田文學は早過ぎた様で御座る(´๑•_•๑)。2023/06/15

ケイ

145
語り口調が似ているところから「ギケイキ」と同じ流れかと思ったが、これはパンクなサムライの時代SF。物事を考える道理は、屁理屈、刀技を経て、爆発する。そして因果応報。左遷された先でめげずにいた事がこんなふうな役にたつとはね。期待してとりかからず、へんな面白いの読んでやろうぞ!くらいの気持ちで手に取るのがおすすめ。2019/04/06

抹茶モナカ

120
時代小説の体裁で描かれているが、外来語が普通に使われるし、会話も現代語で、あえて言うと、立川談志のイリュージョン落語みたいな本。実際に、落語の一説も出て来る。パンクな純文学で、格好良い。後半、引っ張り過ぎで、読んでいてつらい所もあったけど、読み終えてみて、大満足でした。2016/06/07

スエ

118
何何何っ?!イキナリ浪人が、父娘連れの父を切り捨て御免。その訳は「腹ふり党」さっぱりわけワカメな冒頭に、スエは一抹の不安を覚えた。なぜ江戸時代に「マジ」「逆切れ」なんて会話しとんねん?なんて思ったら読み進められないんだな、コレが。褌締め直して読むべしッ❢(シコも踏んじゃうぞ)笑える会話のジャブと屁理屈の応酬。なぜか辰吉丈一郎VS薬師寺保栄の試合を思い出す。ようこそ闇のワンダーランド、スエ家の芝生はゴールドラッシュ、世のちり洗う四万温泉。どんどんどん。ゲッ!異世界から戻れなくなってしまった!ぶっとび〜!!!2021/09/16

kazi

109
町田康の作品の中で一番好きです。個々のシーンがどうだ、とか、ストーリーどうだ、とか、そんな表層的な次元の話じゃないやん・・?紙面から注ぎ込まれた熱量が尋常じゃないことが、ビンビン♪に伝わってきます。この刀持って変な扮装してる奇怪なおっさんが表紙の一冊の文庫本の中に宇宙的な量の熱量が込められていて、文字を通して読者の脳髄の核に集中照射される。これは天才にしか書けない作品だ。まーちだの創造性が大爆発してる。翻訳者の柴田元幸先生が何かの本で、この小説を称賛してたのが一寸意外だった。先生のイメージと合わない。2020/05/24

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