内容説明
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小説家と女性誌編集者が過ごす、京都の一夜を繊細な心理主義的方法で描き、現代の「性」を見つめる「高瀬川」。亡くした実母の面影を慕う少年と不倫を続ける女性の人生が並列して進行し、やがて1つに交錯する「氷塊」。記憶と現実の世界の間(あわい)をたゆたう「清水」など、斬新で、美しい技法を駆使した短編4作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinji
106
初読みの平野啓一郎さん。かなり技巧的な文学作品ですね。読まれた方のレビューを見ると結構チャレンジ感の強い作品のようではあるのだけどキチンと著者の流れはくんでいる様でした。どの作品も理解力の無い私にとっては難しすぎてポイントの持っていき所に悩みましたが、「氷塊」の進行技法と上下各男女パートの些細な事象につまづくような微妙な気持ちの揺れの表現は綺麗の一言でした。後、表題の「高瀬川」はひょっとして著者の実体験からくるお話なんでしょうか?2017/02/04
ケイ
88
平野さんは実験的に色々と試みられたのだと思う。四つの短編は、それぞれ構成が違ったり、性描写が激しかったり、心の交流を描いていたり、変化にとんでいるという意味では飽きさせない。しかし、私は小説には心にひびくストーリーや、高揚感、娯楽性を求めるのだが、それを満足させてくれるものではなかった。とても上手いけれど、その先にいくには何かが足りない気がする。2014/11/14
クプクプ
67
この作品は、平野啓一郎の実験小説でした。男女のラブホテルでの下ネタの話や、わざと二段組にして、ふたつの話を並行させるなど、著者なりの挑戦を感じました。私は平野啓一郎と同世代なので、同世代ならではの楽しみもありましたが、人に勧められる作品ではありませんでした。余談ですが、本日、私は両親と三人で、初めて文京区立森鷗外記念館へ行き、展示室で、森鷗外の作品の魅力を語る、平野啓一郎の映像を拝見しました。記念館のカフェでライ麦パンにソーセージを挟んだ料理を食べ、一生、忘れられない、思い出の味になりました。2026/03/01
かみぶくろ
43
3.8/5.0 四篇の短篇集。後ろ二作は形式が実験的。冒頭の「清水」は晩年の芥川を思わせるような死の臨在感があって、怪しい魅力があった。「高瀬川」はラブホテルでのアレを描くが、なんかこうも的確に描かれると逆に失笑してしまう。ただこちらも後半は死が仄めく印象的な展開で、情景が美しく脳裏に残った。2024/10/05
かんらんしゃ🎡
39
▼抱けば女は変わるし男だって変わる。二人のパンツを詰めたペットボトル、こんなん持ち帰ったら重いわー。で、高瀬川に投げた。ボトルは流れて海か、沈むか、柵にからまるか。これはもうひばりかテレサ、あぁ~川の流れに身を任せ~ ▼「氷塊」上下段の関連性を推測しながら読むのは、それだけでミステリー。アンジャッシュの勘違いコントのような滑稽話だけど、二人の心を丁寧に拾って文学となる。2026/04/19
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