内容説明
シャーマニズム儀礼、ヨーロッパの道化芸、サーカスの演技、バリ島の民俗舞踊、日本が生んだ舞踏、内外のコンテンポラリーダンスなど、領域を横断して多元文化的な位相をもつ身体表現を多様な文脈とリンクさせる。デジタル時代に「発話する身体」を問う論考集。
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目次
第1部 身体のエスノグラフィー
第1章 パトスの領域
1 学びのプロセス
2 女になりきらない女形
3 身体技法を見世物に変容させるサーカス
4 クラウン芸を自立させた男たち
5 道化的な動態を回収する
6 ホワイトクラウン、笠井叡と伊藤キム
7 動物の芸をどう捉えるか
第2章 観光・儀礼・呪術──バリ島の武術舞踊バリスの多義的性格
1 「舞踊作品」としてのバリス
2 奉納芸としてのバリス・グデ
3 バトゥールの壮大なバリス・グデ
4 「伝統的な儀礼」を新たに演出する
5 呪術的トランス──サヌールのバリス・グデ
第3章 マヤ・デレン──知と情の臨界点
1 バリ島
2 突発的な憑依
3 記録映画『聖なる騎手たち』──もう一つの祭祀的身体の創造
4 『変形された時間での儀礼』──変容される夢幻的な時空の先に見えてくるもの
5 『陸地にて』──官能的なまでの「違和」の感覚
6 『午後の網目』──エロスとタナトスが疾走する代表作
7 ダンスの臨界点
第2部 舞踊の脱領域
第4章 ダンスに風穴をあけたバッドガールたち
1 パンク・バレエからフラーとダンカンという始祖に遡る
2 ポストモダンの落とし子、イヴォンヌ・レイナー
3 静かなる反逆児、黒沢美香
第5章 ジェンダーの非対称から生まれるもの
第6章 ダンスと反グローバリゼーション
1 アラン・プラテル・バレエ団『バッハと憂き世』
2 ロビン・オーリン振付け『Daddy, Ive seen this piece six times before and I still dont know why theyre hurting each other……』
3 ジョセフ・ナジ振付け『ハバククの弁明』
第3部 創造の淵源に遡って
舞踊における創造力とは何か──対談 イリ・キリアン/石井達朗 1
音楽と建築について/中村恩恵と即興について/年齢を重ねることと、踊り続けるということ/ダンサーのギャラはわたしが決めた/オリジナリティ、個性、インテグリティ──自分自身と競走すること
これほど個人的な作品はもう二度と作らない──対談 イリ・キリアン/石井達朗 2
実生活と作品と……/新作『ファー・トゥー・クロース(Far Too Close)』について
馬と繋がりながら、百パーセント燃え尽きることができるのか──対談 バルタバス/石井達朗
発話する身体、動きだす言葉──座談 笠井 叡/野村喜和夫/石井達朗
五千羽のヒヨコを/詩を書く身体/身体から喚起される言葉/モダニズムと全体性/言葉からの波動/ダンスを捨てる/超越的なものと具体的なもの/身体が薄らぐ/新しいダンスの胎動/情報化社会における身体/「意志して」踊るということ/生と死のリアリティ
あとがき
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