光文社古典新訳文庫<br> 永遠平和のために/啓蒙とは何か - 他3編

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光文社古典新訳文庫
永遠平和のために/啓蒙とは何か - 他3編

  • 著者名:カント/中山元
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • 光文社(2013/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334751081

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内容説明

カントが普通の言葉で語り始めた! 本書で繰り返し説くのは、自分の頭で考えることの困難と重要性。「永遠平和のために」は常備軍の廃止、国際連合の設立を唱え、「啓蒙とは何か」は、他人の意見をあたかも自分のもののように思いこむ弊害を指摘している。他に「世界市民という視点からみた普遍史の理念」「人類の歴史の憶測的な起源」「万物の終焉」を収録。現在でも輝きを失わないカントの現実的な問題意識に貫かれた論文集。

目次

啓蒙とは何か―「啓蒙とは何か」という問いに答える
世界市民という視点からみた普遍史の理念
人類の歴史の憶測的な起源
万物の終焉
永遠平和のために―哲学的な草案

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コウメ

69
❷・「未成年状態から抜けだせない理由」どんな人にとっても、未成年の状態がまるで生まれつきのものであるかのようになっていて、ここから抜けだすのが、困難になっている。/未成年の状態はあまりに楽なので、自分の理性を使えない。しかも人々は、理性を使う訓練すらつけていない。そして人々をつねに未成年におくために、様々な「法規」や「決まりごと」が設けられている。/これは誤用されるために用意された仕掛け、人間が自分の足で歩くを妨げる足枷。2019/10/21

コウメ

68
「ノート」・「啓蒙の定義」啓蒙(けいもう)とは何か。それは人間が未成年から抜けること。未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の状態の理性を使うことができないということ。人間が未成年の状態にあるのは理性がないからではなく、他人の指示を仰がないと自分の理性を使う決意も勇気も持てない。つまり啓蒙とは、「知る勇気を持て」。すなわち「自分の理性を持つ勇気をもて」ということ。2019/10/19

コウメ

60
❹・「人間制にたいする犯罪」/例えばある宗教的な組織が教会の全ての信者を絶えず監視し、信者を介してすべての国民にも絶えず監視しある宗教的な組織の教義に基づく制度を永続的なものにできるか?/しかし私(カント)は不可能であると考える。人間が啓蒙されることを永久に妨げることを目的とした契約が締結されても、それは無理である。たとえ最高の権力によって契約されても同じ。2019/10/27

コウメ

58
❸・「理性の公的な利用と私的な利用」公衆を啓蒙するには、自由があればすればよい。自由のうちでもっとも無害な自由。《あらゆる場所で議論するなと叫ぶ声を耳にする》将校は「議論するな訓練を受けよ」と叫ぶ。税務局の役人は「議論するな納税せよ」と叫ぶ。牧師は「議論するな信ぜよ」と叫ぶ。好きなだけ、好きなことについて議論せよただし服従せよと語っているのはこの世でただ1人の君主「フリードリヒ大王」だ。/2019/10/25

NAO

55
このシリーズの新訳だったら哲学書も読みやすいかも、と購入。「啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜け出ることだ。」は、向上心のない姿勢や、子どもの自立を阻むような育て方をする親に対する、カントの強い諌めの言葉だと思った。性悪説を取りながらも、生まれつき「他人よりぬきんでたい」と思う利己心や、競争心があり、「もっと欲しい」という欲望があるからこそ、人はそのために何とかしようと努力もし、考えもしたとするカントの考え方には、人間に対する希望が感じられる。何度も読み返したい良書。2016/09/29

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