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内容説明
団塊(全共闘)世代と言われる人たちが定年を迎える。社会変革を夢見て活動し、高度成長期を走り抜け、戦後の一時代を切り拓いた全共闘世代とは、何者だったのか。そして全共闘運動とはいったい何だったのか?個人的経験から語りはじめ、この世代の意味を思想としてとらえなおす、同世代から団塊ジュニアまで必読の論考。
目次
第1章 一九六六年の東京
第2章 戦後民主主義と空想
第3章 六〇年安保と三派全学連
第4章 全共闘運動―一九六八年
第5章 全共闘運動の転回―一九六九年から七〇年代へ
第6章 七〇年代―市民社会の風景
第7章 八〇年代
第8章 九〇年代から現在へ
第9章 二十一世紀あるいは、ささやかな小括
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
98
本書出版の一年後に小阪さんは急逝する。15年以上前の本だが、自らの個人的体験を通じて「全共闘とは何だったのか」を語る著者の叫びが伝わってくる。三派全学連と全共闘とを厳然と区別する姿勢が、著者の認識を象徴している。自発性・現場性・当事者性・対等性を重視した運動形態であり、物事に向き合う「態度」こそが全共闘の本質だと。全共闘運動は「意味のある空騒ぎ」に終わり、その後「層としての学生運動の解体」を招いたのは事実。だからこそ、新自由主義の横暴に沈黙する現代の若者に、全共闘世代の思いを伝えたい著者の認識に共感する。2023/07/29
Yukiko
10
1960年代後半からの全共闘運動の解説、その中で筆者がなにを考えどんな活動をしていたのか、さらに当時の学生運動の広がりから生まれた連合赤軍事件の分析。本書前半は全共闘世代を「つかまえた」時代について。 後半は70年代の日本市民社会の転換、その後の時代の変化を全共闘世代の視点から分析している。特に家族の時代としての80年代などなるほどと思った。 この本の魅力は誠実さだ。文章を読んで誠実と感じて、著者が話している姿を見たいと思うことは、あまりない。調べてみたら出版のほぼ1年後、2007年に急死されている。2022/07/18
左手爆弾
9
「全共闘」という時代に捕まれてしまった著者の、自分の人生と社会を振り返った一冊。個人的体験は面倒なので読み飛ばす気でいたのだが、だんだんと社会的状況と重なっていき、自然と受け容れていった。やはりあの時代をああした形で迎えてしまったことは、人間の一生を大きく変えてしまうのだろう。今の時代には夢や希望がないと多くの人はいうが、本当に足りないのはバリケードかもしれない。バリケードの中から見る大人の社会や青空や、仲間達の顔、そうしたものが焼き付いてしまった人間は、どうしたって普通には生きられないだろう。2014/01/15
kinkin
8
私より上、多分団塊の世代という人達が全共闘世代でもあるのかな。ニュースで東大安田講堂の様子をテレビでみたことを覚えている。学生運動があのまましばらく続いていたら今日本はどんな国になっていただろうかと考えてみた。(読書メモより)2013/02/21
石井は生きている
6
自伝であり時代考察の本でもある。個人的なこと書かれ、また全体的なことも書かれる。全体的にぼんやり叙述されている気がするが、決して曖昧な表現ばかり用いているわけではない。筆者は自身の全共闘活動に至る道について『時代に「つかまれる」』という表現をしているが、本書についていうとどこにもつかみどころがないような印象も受ける。/みたいな感じのめっちゃ変な本。著者はこの本を最後の著書として一年後に亡くなっているけれども、一個人が最後に残す一冊としてはものすごく素晴らしい出来だと思う。2014/02/28
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