乞胸 江戸の辻芸人

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乞胸 江戸の辻芸人

  • 著者名:塩見鮮一郎【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 河出書房新社(2013/10発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309224541

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内容説明

「ごうむね」とは、江戸初期、戦乱がおさまって失職した武士で、乞食に身を落として大道芸をなりわいとした被差別民のこと。弾左衛門、車善七の支配を受けた彼らの生態をまざまざと活写。

目次

芸人のいる街道
東くだりの浪人
かぶく者と日本橋北
縄張りと和解
家業の十二種
宮芝居禁止
下谷山崎町へ
香具師の見世物
見世物と盛り場
天保の改革
維新の暗部
文明と見世物

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむだ

4
芸人であり役者であり乞食でもあった乞胸。その総元締めである乞胸頭を中心に江戸の辻芸人とその周辺の事情を記した一冊。穢多・非人・香具師・盛り場・虚無僧・願人坊主など、乞胸と深い関わりがあったり重なる部分の多かった人々の描写もあり、読みやすくまとまっている。2024/03/23

sayzk

4
京極夏彦の続・巷説百物語の中に「乞胸」「弾左衛門」なる言葉が少し出てきていて気になっていた。芸人とは、役者とは、そして乞食とは、なんであったか?こじきは一種の職業であったのですね。認識が変わります。ただ、本書では彼らの比較的”陽”の部分、為政者に翻弄される弱者としての部分の記述に留まっているように思えた。彼ら、アウトサイダーとして”陰”の部分についてもあったのではないか。筆者の他の著作も読みたい本に加えるとしようか。京極の読み過ぎか?筆者はややご高齢のようだが今もバリバリ研究しておられるのだろうか?2013/11/08

筋書屋虫六

2
江戸時代、巷には宮芝居や見世物小屋、雑芸を披露する辻芸人の姿があり、黒山の人だかりを呼ぶ人気だった。乞胸は、元は浪人武士で食うために雑芸をみせて物乞いをした。だがそれは乞食をする非人のテリトリーを侵すと訴えられ、町奉行が「身分は町人だが家業をする時は非人頭の支配を受ける」という奇妙な存在とした。農民出自の香具師とは似て非なる芸能集団だそうだ。江島生島事件や天保の改革の弾圧でもしぶとく生き残っていた彼らが、明治維新であっけなく消えてしまったというのが、日本の芸能を考える上でとても重要だと思った。2013/03/31

Tomochum

1
流石作家、流れるような語り口。妻子を養うため、大道芸という家業を選んだ浪人たち。武士身分から町人身分になり、非人頭の支配を受ける「乞胸」。矛盾も多く含むグレーゾーンの存在。芸の披露を人寄せにした薬売り「香具師」とのトラブル。江戸時代の猥雑さが見えてくるに従い、現代日本の姿が浮かび上がってくる。「人権」とは何か、「福祉」とは何か、そして「仕事」とは?2011/12/18

かぴ

0
前に読んでいた『カムイ伝講義(田中優子)』の中に出ていたので読み始めた。文章は読みにくい。身分制度の何たるかが江戸から切り取られているのでわかりにくい。でもきっとこの作者の他の著作を読んでいることが前提になっているからなんだと思う。2014/03/22

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