内容説明
正義派ではない、金のためでもない。ヤミ金融の連中を脅し、言いがかり同然の裁判を起こす。有罪確実な人間を無罪にすることに、暗い喜びを感じる。ご大層な事務所よりも船の上で生きる自由を選ぶ。法を逆手に秩序に盾突く中年弁護士、青井正志。あやふやなこの社会に鉄槌を下すハードボイルド、新たな地平。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
49
どこかで毀れて行くことを望んでいる弁護士青井。闇金融の連中を逆に脅かし、潰していく。言いがかり同然の裁判を起こす。警察という権力には法律と建前のみで、徹底的に盾突いて行く。絶対敵には回したくない弁護士。死ぬのが怖いだけではなく誰か殺してくれとまで望む毀れようは、ヤクザでさえも怯ませてしまう。北方作品の中でも、かなり特異なキャラクターでしたね。私は大変気に入りました。面白かったですよ。ただ、これだけのキャラクターが1作で終わってしまったのは惜しい。もう1作、2作は書いて欲しかった。2016/03/17
GAKU
31
久しぶりの再読。たまに北方さんの現代版ハードボイルド読みたくなるんですよね。主人公の弁護士青井、こんな人物を敵にしたら本当に嫌です。何せ自分自身が毀れることを望んで、死ぬことさえ恐れていないのですから。2025/04/05
たーくん
5
船で生活する、アウトローの弁護士。建前社会に反発するところがいいねえ。2010/12/04
みもり
4
弁護士が理不尽な法律に立ち向かうのでもない、金の為にあらゆる手を使ってビルを乗っ取るだけの話でもない。ただひたすらこわしたい男の話。破滅へと向かう心理描写、象徴的なラストシーン。良かった。2010/12/19
とりふぃど
3
ハードボイルドはひたすらステーキを喰らう。先生、あんたおかしいよ。先生、何か言ってくれよ。先生、どこに行く気なんだよ…田所さんごっこは置いといて、交通事故裁判のけじめはつけていけよと思った。2012/08/08
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