- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
120年以上、建設が続けられているサグラダ・ファミリア。形、数字、謎の部屋……。天才ガウディの視点に立ち、28年間、彫刻をつくってきた著者が、隠されたメッセージを読み解く。
目次
ガウディと職人たちとの対話
石に込められた知恵
天国に引っ張られている聖堂
人間は何も創造しない
ガウディの遺言―「ロザリオの間」を彫る
言の葉が伝えるもの―「石の聖書」を読む
ガウディを生んだ地中海
ライバルとパトロン
ガウディと共に育つ森―十九世紀末のバルセロナ
神に仕える建築家の誕生
孤独の塔、サグラダ・ファミリア
永遠に満たされていくもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
37
サグラダ・ファミリアを作っている日本人はこの人だったんだ。自分の芸術の衝動の末、バルセロナにたどり着く。ガウディの残した仕事に想いを巡らし、石を刻む。設計図が残されていない中、模型や残された言葉や先にできた彫刻から想像し、周り職人と相談して決めていく。ガウディや教会や歴史の理解を深めて、ガウディの深い想いを残すことに生涯をかけることになんのためらいもない。ガウディの技術と芸術性に感動しつつ、外尾さんの仕事に対する姿勢にも感動する。こういう想いが後世に残ることが、人類の希望でもある。落合陽一推薦本。2023/10/09
たらお
32
生きているうちに見てみたいサグラダファミリア。Eテレのアカデミアをきっかけに読む。寄付金や技術の進歩により完成にむけてカウントダウンに入る聖家族教会だけれど、若き頃より彫刻の制作に携わる外尾さん考えや想いが伝わってくる内容。設計図としては白紙の彫刻をガウディならどう考えるのか、聖書の内容の検証、自然の観察などを通して、本来あるべき姿を石の中から削り出す。当初はプレッシャーもあっただろうが、日本人という外からの人間だからこそ気付くカタルーニャの良さ、それを現地の人に気付かせ制作に生かす職人の心が詰まった本。2023/08/03
kan
30
ガウディが天才とされる理由と、外尾氏が彼の思いを深く理解し、石とガウディと溶け合うかのようにサグラダ・ファミリアに没入していることがよくわかる良書。ガウディの建築にある美しさと機能、そして自然の秩序に従うシンプルさと信仰の融合を知り、「石の聖書」を具現化する試みの壮大さと崇高さに改めて畏敬の念を抱く。聖堂の門や塔や彫刻群のシンボリズムを真に理解するには信仰が必要だとは思うが、魂を成長させる努力や、自然の美と生を評価する一連の思いは理解できる。授業で扱うため資料として読んだが、建築の奥深さに感銘を受けた。2023/10/14
うえぽん
26
1978年からサグラダ・ファミリアで彫刻家として働く著者によるガウディ伝。ガウディの珠玉の言葉に深く感銘。「人間は二次元世界を、天使は三次元世界を動く」、「人間は何も創造しない、ただ発見するだけである」とは、自然を偉大な書物だと見て、二次元の図面ではなく、三次元の模型を作り、建築の指揮を執ったガウディの信念だったのだろう。石の中で無になって彫刻を続ける著者は、ガウディの見つめた目標に一体化しようとしているのだろう。ガウディ展でも紹介されていたが、サグラダ・ファミリアの完成は近い。ぜひ再訪したいものだ。2023/09/12
cape
23
サグラダ・ファミリアで28年間彫り続ける著者によるガウディ伝+自伝。この人だからこそ語れることがある。ガウディが何を考え何を見たか。ガウディがガウディであった背景とその性格が成した彼の人生、著者が考える人間の幸せは無償の愛と明日への希望というのは、まったくもってその通りだと思う。ガウディを知り、ガウディを通して考える、ガウディ愛あふれる一冊に、バルセロナに行きたい気持ちが募る。2016/10/30
-
- 電子書籍
- カバーいらないですよね 分冊版 14 …