内容説明
「ずっと本と一緒だった。アメリカでも、日本に来ても、一人のときも、いろんな人に出会ったときも。」だから、「大切な思い出は、必ず本と結びついている。」4歳から14歳までに出会った本を手がかりに、その時々の自分を振り返って描写していく、彩りのあるセルフ・ポートレート。『小学生日記』で鮮烈にデビューした著者の書下ろし作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
147
15歳の少女が書いたにしては、よく考えて書いていると感じました。読書や学校生活あるいは友達との交流について書かれています。よく考えているというか大人びているというか、同じ年代の日本人ではここまで考えることができるか、とすぐ考えてしまいます。比較するのは良くないと思いながら、自分も同じ年代のときはどうだったのかと思いだします。2016/07/24
ぶんこ
58
読後感を書く度に思っていたのですが、読んだ人の人生経験や年代、精神状態で感じる事はかなり違ってくる。読メの文字数では書ききれなくて悔しい思いもしました。華恵さんの感想(書評)は、その点しっかり書かれていて心に響きました。「小さき者へ」の最後、美奈子さんとオヤジの場面ではグッときて泣きそうになりました。年齢に合った本を読んでいるなぁと感心していたら、あとがきに「本との出会いは、相性もあるし、時期もある。」と書かれていました。そして、この本を書いたのが14〜15歳だったとは驚きました。素晴らしい文章力!2016/07/14
糜竺(びじく)
46
この本を書いた当時で15歳の華恵さんが、本との繋がりを大切にしつつ少女時代を過ごした時の事を描いたエッセイ集です。松岡正剛氏の解説より「この本は大変気にいった。書かれた文章と書き手の心の関係が美しく、とりあげた事象がことごとく暗示に富んでいる。構成もうまい。それになんといっても本を題材にしていて、その本に対する付き合い方がすばらしい。読書はこのように、食べたり着たり跳ねたり忘れたり思い出したりするように楽しむものだ。華恵ちゃんはそれを見事に実践してみせている。だから、この本をおおいに勧めたい。」2017/08/05
紅香
36
『大切な思い出は、必ず本と結びついている』華恵ちゃんの選んだ14冊は14つの情景と溶け合い、物語の景色とほとんど境がない。なんてすごい絆だろう。感性なんだろう。本に助けを求めてばかりいる私とは大違い。華恵ちゃんの年頃に読みきった大人な小説は一冊もないよ。運命的に出会った最初の本『I like me!』。「わたしには大親友がいる。それはわたし!」とても大切な言葉を4歳で見つけるなんて…負けた。微笑ましい家族の会話も笑い声も悲しみも涙も戸惑いもページを開いたら彼女にはきっと見えるのだろう。。いつも本がいた。2016/04/24
こふみ
22
中学生が書いた本…びっくりです。洗練されて上品さを感じる上質な読書エッセイ。光村の5年生国語の教科書で紹介されているのですが、本屋さんに発注しても品切れで購入できず。勤務校の図書室に置けないのが残念です。2022/10/28
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