内容説明
ヤバい世界はもう終わった。宇宙人占領下東京の平穏で危険な日常、僕らのぎりぎりの「今」を描く青春長篇小説。傑作短篇「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まるる
40
ドラマ「世にも奇妙な物語」の原作が収録されているということと、今住んでいる北区が舞台?になってるので興味をもった。ファナモのストーリーはドラマと全然違うのでビックリ。ドラマってうまいことアレンジするんだな~って思ったわ。原作のままだとドラマにはならなそう。 表題作は、なんていうか主人公の脈絡のない思考を読まされている感じ。SMクラブでの女王様とのやりとりのあたりは面白かった。2014/12/14
ゆかーん
35
UFOが池袋のサンシャインに降り立った。そしたら、北区の人間が宇宙人を刺した。怒りに震える宇宙人は、北区へ報復攻撃を開始した。そんな地球最後の日にも関わらず、彼は420円のビニール傘を満足に買うことも出来ずに、劣等感の塊のように生きている。初めて入った風俗店の女性と、上手くことを成すことも出来ないまま、宇宙人のテレビを見ている。誰が救われるわけでもない。誰が満足できるわけでもない。そんな宙ぶらりんの世界が意外と嫌いではない自分がいる(笑)2015/02/28
きいち
25
イラク戦争への対し方が印象的だった岡田利規「三月の5日間」がぱっと思い浮かぶ。06年だ、その時なら、大きなことと身近なこと、それがフラットに同じ価値だと示されてることのほうに「そうそう」と思ったろう。日常の出来事に対して脳内会話を繰り返す前半部分は、単にそのフラットな世界を提示するもの、と。でもいまたまたま手に取って読むと、この前半部分が、そんなフラットな場所に強引に陰翳をつけてやろうという意思の表れと思えてしまって、ああ俺もきっとこの流れならスクミズ着ちゃうぞ、と。うん、チャックの毛、真剣に解かねばな。2015/11/22
メルル
22
「恋愛の解体と北区の滅亡」なんだかとっても心地よい下らなさ。物凄く頭の中でどうでもいいことを思考している。でも、私も普段ぶらぶらしている時はこんな風。彼の脳内ウジウジも面白い。宇宙人がやってきてもテレ東が通常営業。それはあながちあり得ないことでは無いのかもしれない(笑) 「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」拓哉のトイレを我慢している姿がなぜだか微笑ましく感じる。そう思うと便利な世の中ってちょっと寂しいのかもしれない。2015/03/18
スパイク
20
コレ読んで人生変わるってことはないだろうとは思うけど惹きつけられた。何が書かれているかというと、それは恥ずかしいという感情です。恥ずかしいという感情には下半身ネタが不可欠なのでマゾヒズムとか排泄とかが、きっちり書かれている。恥ずかしいという”感情”だから頭の中を覗かれたほうが恥ずかしいはずなんですけど、頭の中で姦淫してることを見透かされるよりオナニーしてるところ見られるほうが、やっぱり嫌ですよね。いやいや見られてコーフンするっていう人もいるだろうし、見るぶんにはたぶんコーフンするから、結局ひとそれぞれか。2015/03/07




