内容説明
情事を楽しみながら出世コースを歩む浅井、夫の心をつなぎとめるため寝室のムード作りに励む妻の道子、浅井の子を生もうとするホステスのマチ子、ヌードスタジオの小娘にうつつをぬかしている小柳老人――楽しいはずの浮気が露見し、あわてふためく男の愚かしさと、愛が憎しみに変貌したときの女のすさまじい執念と復讐を対照させつつ、不信にみちた現代の男女の相剋を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
99
上下巻再読。世の男性諸氏はこの作品をどう読んだのだろうと思った(笑)産むのは女ですからね~女は凄いよ!色んなことに。いやいや、この作中の様な女性達がそんなに沢山いるとは思いたくはないが(汗)浅井も小柳翁も甘かったわね!女は墓場まで持って行く秘密があるが、男は持っていかれないことになっているのだ!浮気はバレる事を覚悟して挑んでね(笑)タイトルはちょっと品が有り過ぎる。女達のバトルには笑えた。これは、コメディですよね!妻に無いものを求めるかぁ・・今、夫に無いものを妻だって求める世の中になっているか?2015/10/14
Atsushi
35
浮気相手との情事を楽しみながら出世コースを歩む浅井、ヌードスタジオの小娘にうつつをぬかす小柳。楽しいはずの浮気が露見し、あわてふためく男の愚かしさは同性として情けない。一方、信じていたものが信じられなくなったときの女のすさまじい執念と復讐劇に茫然自失。三人の子どもたちの後日談が知りたい。2018/06/09
ぐうぐう
33
一転、下巻に入ると、女達の復讐が始まる。それはもう、恐ろしいのひとことだ。ここまで嬉々として読んでいた男共を、さぞや震え上がらせたことだろう。と同時に、女性達は快哉を叫んだはずだ。中盤まで、あえて男性側に寄り添うような描き方をしてきた効果が、抜群に発揮される。それ以上に驚かされるのは、時代性が物語を左右している点だ。社会派・有吉佐和子がいつの間にか顔を出している(ラスト一文の余韻の凄さよ)。それでいて、エンタメとしてのおもしろさがまるで損なわれていない。有吉佐和子、恐るべし!2017/01/10
背番号10@せばてん。
28
2007年9月23日読了。あらすじは忘却の彼方。ちなみに、過去、映画化1回、ドラマ化4回。歴代のマチ子役は、若尾文子(1968)、三田佳子(1968)、茅島成美(1978)、十朱幸代(1984)、松下由樹(2006)。2007/09/23
taku
22
浮気心は男を殺す、アパ(ート)不倫。「迷惑かけないから、あなたの―」懲りずに、嬉々として爆弾仕込んでりゃ世話ない。自制心など甘美な願望の前では吹っ飛んでしまうのさ。予想どおり手痛いお仕置きくらいましたな。妻の反撃は会心の一手。愛人は必至を狙う寄せ。もう少し受けようはあったはずだけど、この局面では七冠時代の羽生さんでも投了。その情熱を、もう一度夫婦を育むことに使えたらよかったのに。どこに着地させるのか興味津々で一気に読んだけど、複雑な気分になっちゃうな。2019/04/13