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内容説明
大学生にとって論文を書くとはどういうことか。誰のために書くのか。何のために書くのか。大学での授業の受け方や大学院レベルでの研究報告書の作法、社会に出てからの書き方まで、論文執筆の秘伝を公開する。決め言葉の歴史や、カルチュラル・スタディーズが隆盛となった最近の学問の流れをも視野に入れた新しい論文入門。
目次
第1部 秘伝 人生論的論文執筆法
第2部 線を引くこと―たった一つの方法(なぜ線を引くのか、あるいは線の仕事 自己と他者 国境と政治 「われわれ」と「彼ら」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
29
これから作家になりたい、または文学部に入って文学を勉強したい高校生におすすめの本。大学生の生活がイメージできるし、本についての知識もつく。2015/07/05
katoyann
19
大学生向けに書かれた、レポート及び論文を書くための入門書的な本。エッセイ調の文体であり、私的体験も交じるので、学生が興味を持って読めるかどうかは微妙だ。むしろ、教員としての学生指導に関する考え方が参考になった。今は大学も大衆化しているので、一方向的に講義するのでなく、大学で学修するのに必要な文章表現のスキルを向上させるために、教員は学生の文章を添削した方が良いという意見は正しい。例文を示しながら、二項対立図式を用いて、筆者の立場を明確にすることが論文の基礎であるとする見解はやや高度だが、参考になる。2023/04/05
viola
9
院生も対象、ということで読んでみました。確かに勉強になります・・・・が、せめて投稿論文完成前に読みたかったかなぁ。もっと毒舌なのかと思いきや、思ったよりもそうでもなかったです。著者は夏目漱石専門の大学の先生。個人的には漱石が日本の作家でもっとも苦手なのですが、国は違えども同じ文学専門なので面白い。2章構成となっており、1章は大変面白いのですが2章はつまらなかった・・。ちなみに、著者が「これくらいは読んでおくべき」だと記していた本は何一つ読んでいませんでした(苦笑)専門が違うもん!と思いたい・・2011/08/20
よしひろ
8
知の広がりに線を引く、論文という形式の深さを知った。2016/04/22
ニクロム
8
「教養としての大学受験国語」では、評論読解の方法として二項対立の習得を指南していた。それに対して、この本では、論文執筆の方法として線を引くこと、すなわち、二項対立を作り出すことを講義する。論文の仕事は、世界のあり方を明らかにすること、あるいは、新たなあり方を提示することである。そのためのたった一つの方法こそ、文化によって無意識に引かれた線を意識化すること、新たに線を引き直すことであり、それは世界を創る知性の仕事である。 第一部はエッセイ形式の学生へのアドバイスで、学生としての心構えなど面白くてためになる。2015/05/07